第48話 1組の騒動 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第48話 1組の騒動

翌日、今度は己斐が生徒に囲まれる羽目になる。
というのも、翌日も彼らは”落し物”と称して遅刻をしたからだ。
2日連続である。
「お前ら遅刻になるでー」と佐々木はワザとらしく声をかけたのだ。



そして、
「今日のも遅刻ですよね」と己斐に話しかけにいった。
『そうです』己斐は怒りながら言った。
それを聞いた菊野たちは己斐に抗議をする。

「先生は事情があったらいいって言ってたのに、おかしい」
『いえ、おかしくありません。チャイムが鳴ったあとに座るのは遅刻です。昨日のも遅刻です』

「は、なにそれ!? 言ってることが違うし。おかしいんじゃない」
『決まりは決まりです!』

「そうやって自分の都合で言うのはいけんだろうが!」
生徒の抗議を己斐は無視した。



佐々木は1日気分が良かった。
いつも自分ばかりが生徒に責め立てられているからである。
こっそりと1組の出席簿をチェックしても遅刻がついたままであった。

生徒下校後、技術棟に向かうろう下で有田とばったりと出くわした。
『先生、己斐先生に言ったらしいね』笑いながらである。
『今回のことはあれでよかったと思うよ。というのもね、己斐先生は自分のところの生徒だけを甘やかしてルールを曲げてご機嫌を取ってやってきているんよね。だから、自分のクラスのこと言われるとすごく怒るでしょ。配膳中は生徒はエプロンもつけてないしね

自分のことは棚に上げて、言いたいことばっかり言う、この学校は変なところなんよ』

その気持ちは痛いほどにわかった。

にしても、己斐は何かあれば佐々木に「ちゃんとやってくれ」というが、己斐自身がやっていない。
今回のことは、己斐に言い返すネタになる。
自分だけじゃない、この安心感は大きかった



※ 指導のポイント

(1)勝手な動きは教員の信頼も失う

勝手なことをすれば生徒からの信用を失うが、それとともに教師からの信用も失う。
教師は仲間であり、その連携が崩れることは痛手だ。
自分な勝手な行動が及ぼす影響を考えないといけない

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