第50話 その後の指導 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第50話 その後の指導

川本の投げたデザインセットで窓ガラスが割れたが、幸い誰もケガをしなかった。
川本は職員室へ連れて行かれ、かけつけた教員たちが窓を掃除し、己斐は授業の続きをした。
川本はその日は別室指導になった。

『あのばばあが、いちいちムカつくことをいうからいけんのんじゃ。
いっつも自分の都合で、言うことが違う。ムカつく』
川本に反省はなかった。

窓ガラスについては、『すぐ割れる窓をつけるほうが悪い』だそうだ。



母親が呼ばれた。
「申し訳ありませんでした」と母親が頭を下げた。

故意的に学校のものを破損させると、全額弁償になる、これは学校の規定にかかれており、新入生の保護者説明会でも言われていることである。
そのことを言うと、
『どうして故意的なんですか? 指導に問題があったんじゃないですか??』
と言った。さすがに、驚いた。

(このお母さん、お金か・・・。)

己斐、有田、校長で対応している。

有田が言った。
「聞いた話では、指導に従わずに、怒って投げたわけですよね。窓ガラスは当然、割れるものです。それを認識していながら投げつけているわけですから、故意的です。授業中に物を投げる事自体、許されることではありませんよ。それに指導には問題がなかったと思います」
『なんで、そんな風に決められないといけないんですか。弁償なんて絶対しません』
ふてぶてしいにもほどがある。



「でもね、子どもがやったことを親が責任を取らないでどうするんですか? 壊したものを弁償するのは当たり前ですよ。これを学校が弁償する理由がありませんよ」
『あと、授業をすべて別室にいて受けられなかったと聞きました。これは権利を侵害しています。
その慰謝料として、窓ガラス代はそっちで払ってください。』

弁償をするのがよっぽどいやなんだろう。
頑として譲らなかった。
『話がもうないなら帰ります。ほら、行くよ!』と携帯電話を持ってすたすたと校長室を出て行った。

*********

「ありゃ、だめじゃ。子どものしたことを責任を取ろうとせんなんて、子どもがまっとうに育たんでえ」
校長室をため息が包んだ。
窓ガラスはすぐに張替えがされたが、代金はとりあえず学校が建て替えた。
これを取れるかどうかは・・・?



※ 指導のポイント

(1)別室は状況次第

授業を抜いてまで別室指導する場合は、その緊急性が問われる。
生徒には授業を受ける権利があり、それを侵害していると言われればそれなりの理由が必要。

生徒が暴れて仕方がなければ緊急性があると言える。
もしも、興奮が収まって普通に授業が受けられる状況であれば緊急性があるかどうかは疑問となる。

生徒自身が問題を起こしているわけだが、その辺の配慮は必要


(2)モンスターペアレントには学校で対応

どうしてもモンスターペアレントはいる
自分の主張が押し通そうする輩。
こういう輩にまともな話は通用しない。

だからこそ、学校が一枚岩となって対応をすることが必要である。

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