第64話 体調不良 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第64話 体調不良

あと1週間で夏休みというところまで来た。
己斐が体調不良で学校を休んだ。



学校の問題は日に日に悪化していた。
己斐のクラスでは藤川に対するいじめはなくならならず、保護者から定期的に連絡は入るようになっていた。
1・2組ともクラスでいろいろな問題が起こり、毎日どちらかのクラスの保護者が電話をかけてくるようになった。
また、その保護者からの電話での生徒指導にも追われた。

保護者は校長にも直接電話をかけるようにもなったが、問題は解決できなかった。
教育委員会にも電話をかける保護者も出てきたが、状況は改善されるはずもなかった。

教育委員会からしたら、昨今ニュースを騒がせている「いじめ」が重要案件であり、いじめさえなければよかった。
学級崩壊は他の中学校でも起きている頭の痛い問題であり、解決しないのが現状だった。

PTAの会合では、小学校と同じように保護者が授業を見守りに行くかどうかを本格的に議論されていた。



教員同士が決めたことを守らない、責任逃れをする、悪口を言うなど、職員室内は険悪な雰囲気に包まれていた。
1年1,2組、2年2組の状況は日を追って悪くなり、エスケープがひどくなったが、学年としての対応などなかった。
だから、周りの教員が動くようになり、その教員らが対応しない教員の悪口を言う状況である。

ただそこにいるだけで、疲労する。
また、いれば保護者からの電話対応に追われる。
大抵、生徒が荒れてくると教員が一致団結し始めるものだが、全く逆だった。


土井と河野は結託し、職員室で聞こえるようにひたすら文句を言った。
平川はクラスも順調なこともあり、誰かの口調に合わせるように言った。
校長と教頭は電話対応が嫌なので、逃げるように定時に帰る。

佐々木や荻原は無視を決め込んだ。
3年団の教員は学年が荒れていないのもあり、1,2年生の問題には一切口を挟まなかった。


仕事があっても、逃げるように帰る教員が増えた。
仕事は家でやる方が捗るからだ。

管理職は自分たちに責任はないとばかりに問題は放置したし、出来る限り早く帰るようにしている。
全員が疲弊していた。
そんな中での己斐の休みだった。

誰かが休むとなると、自習が発生する。
この穴埋めも小規模校では、教員が少ないので厳しい。
そして、さらに疲弊していく。

己斐は次の日も休んだ



※ 指導のポイント

(1)悪循環を断ち切るのは団結しかない

悪循環の原因は、教員の怠慢や無責任さにある。
こういうときこそ、誰かが、といっても管理職であるべきであるが、リーダーシップを取り、まとまって物事を成し遂げるべきだ。
疲弊していくだけでは全く意味が無い。

次回 → 第65話 派遣されてきた指導員