第66話 夏休み | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第66話 夏休み

今週が終わればみんなが待ち望んでいる夏休み。
教員たちは「あと少しで夏休み。夏休みに入ればなんとでもなる」を合言葉に、その場しのぎに奔走した。
己斐の休みや早退が目立つようになった。

学級の生徒たちは
「おっ、そろそろ休みかー。まずはこれで1人だな」と己斐に聞こえるように行った。
小6のときには、2回も担任が変わっており、一種のゲーム感覚でいた。



夏休み前の最大のハードル、それは三者懇談会。
生徒、保護者、担任で成績を渡しながら、学校生活の話をする会がある。

佐々木は憂鬱で仕方がなかったが、いつもの通り、スルーを基本にした。
「努力します」
「すいません」
そんな言葉が口癖になっていた。

ほとんどの保護者が学級の状態を危惧し、どうにかしてほしいと言った。
さすがに聞くのは苦しかったが、
(こいつらが悪いから仕方ない)と言ってごまかした。

己斐にしても、荻原にしても、それは同様だった。
どのように改善していくのかビジョンはなかった。
だからといって、生徒は手加減をしてくれるわけでもない。

そして、夏休みが来た



夏休みに入ると、生徒指導を巡って校内では研修会が連日開かれた。
教育委員会の主導である。

とはいえ、研修の内容が実際に活かせるのかは疑問であった。
夏休みは生徒が学級に来ない。
天国だった。
これがあるから、教員を続けていられると。

そして、夏休みの終わり頃。
己斐が心身の不良により、突如、病休に入ることになった。

己斐は夏休みも年休で休むことが多かった。
生徒からの突き上げ、学級崩壊。
保護者からのクレーム。
土井からの嫌味。
管理職が何もしてくれない。

様々なことが心労となり、追い込んでいた。



※ 指導のポイント

(1)聞いたことを指導に活かす

うまく行っていない学級の三者懇談ほど辛いものはない。
突き詰めるなら、それは普段から起きていることを無視して放置し続けた結果にすぎない。
だから、三者懇談で何を言われようとも仕方がないし、今後良くはならない。

できることは唯一つ。
聞いたことを元に指導していくこと。
これしか改善の方法はない

次回 → 第67話 島田、着任