第68話 vs 1組 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第68話 vs 1組

島田が着任という噂がもうすでに広まっており、夏休み明けの朝の全校集会から、生徒たちはざわめいていた。
集会で校長から己斐が病休に入り、代わりに島田が来たということが報告され、島田は挨拶をした。

夏休み明けは3時間の日が3日間(水曜~金曜)続く。
これも授業数確保のためだ。

初日は学活。
(さあ、どんなかな。今週が勝負どころだな)島田は考えた。



学級に上がると、チャイムがすでに鳴っているのに、生徒はろう下で遊び呆けていた。
声をかけると1組はすんなりと入った。
島田に興味があり、警戒もしているのだろう。

学活は島田の自己紹介から始まった。
驚くことに、2組から生徒10数名出てきて、ろう下で見物している

まあ、よしとして。

そして、本題に入った。
担任として何がしたいかが。

「ぼくは、どんな学級にしたいかと言われると、一つだけ。
楽しい学級にしたい。これだけ。」


『おおーー、よかったじゃん。もうすでに楽しい学級だから』と菊野が反応した。
男子の大勢がニヤニヤと笑っている。
女子は冷ややかな目で見ている。

(始まったか。)



「なあ、その楽しい学級って具体的にはどんなものかな」

『楽しい』 『笑いがある』
『自由!』 『教師が贔屓しない』

嫌な笑いとともに。

「なるほどね。ただね、勘違いしてもらったら困るんだけど、楽しい学級ってのは、全員が楽しいんだよ。一部の人だけじゃないんだよね。それは今、このクラスにはない」

ざわざわ。
雰囲気が変わった。

もちろん、険悪なムードに。
『おっ、なんか語り始めたで、こいつ』菊野が睨みつけながら叫んだ。
『新入りのくせして』神辺は小さな声で。
いびつな笑いが起こる。

(さて、ここからだね。負けてられない)


※ 指導のポイント

(1)最初こそスタンスを明確に

自分はこんな人間だ、こういうことが嫌いだ、こういう風に指導する、といったことを一番最初にやっておく。
もしも後から行うと「そんなの聞いてないし」と生徒が反応し、都合のいい教員となってしまう。

だからこそ、教員としてのキャリアの差が出る部分でもある。
指導のポイントだけはしっかりと生徒に話をしておこう。
そして、それを守っていこう

次回 → 第69話 vs 1組 その2