第69話 vs 1組 その2 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第69話 vs 1組 その2

1組の空気は張り詰めていた。
島田の挑発的な言葉が原因だ。



「偉そうなことを言って、気分が悪くなったら申し訳ない。でもね、ぼくは君たちの担任になった。このクラスで一緒にやっていく。だから、ぼくがどんな風にしていきたいかは君たちによく知ってもらいたい。」

菊野たちが男子同士でやじをいったり、話をしたりしている。
新しい島田は気に入らない。そう判断し、嫌がらせをしている。

「ちょっとストップ。おい、話をするな。聞いておけ」
島田の強めの注意に、教室は一瞬にシーンとなったが、異常なほどに怒りを込めた目を菊野は島田に向けていった
『うっさいんじゃい。今、大事な話をしとんじゃ、邪魔するなや』

2組の向井にも負けず劣らず、菊野も感情の起伏が激しい。
小学校時代から教師に対しては、気に入らなければ徹底的に攻撃した。

「今、授業中だよ。おしゃべりは休憩時間にやってくれ。そして、今は話を聞く時間だ」
『黙れ、っていっとんじゃ』
犬であれば、牙をむき出しにしているだろう

「言葉遣いも気をつけろよ。君の行為は授業を妨害している。話を聞かなくてもいいから、黙っておいてくれ」
『じゃけ、勝手にしゃべっとけばいいだろうが。こっちには関係ない!』

島田は携帯をポケットから取り出し、電話をかけた。
生徒の注目が一気に集まる。
電話が終わると、島田はまたしゃべりだした。

「菊野くん。もう1回言うけど、これは大事な授業なんだ。妨害するなら、有田先生と下に降りてくれ」
別室へ隔離だ。
菊野が沈黙している間に有田がやってきた。

「菊野くん。どうする?」
『はあ、うっさいんじゃい。話しかけるなや』

「じゃあ、下に連れて行ってください」というと、有田が「さ、行こうか」と。
『うっさいんじゃい。あっちへいけや』

「おい、気をつけろよ。授業の妨害の次は、暴れるんか?」
島田は追い込む。

初日から生徒と険悪になるのは嫌なものだけれど、学級崩壊の一番の元凶は菊野であり、教師をなめている生徒たちだ。
対決してどちらが上なのかをしっかりとわからせないといけない。

『じゃけ、お前はだまっとけや』
「何度も言うけど、授業中じゃ。さっさと降りろ。そうやっていつまでも妨害するな。降りるのが嫌なら黙っておくと約束せいや」

『離せや。黙っとけばいいんだろうが!』
島田を睨みつけながら、菊野は叫んだ。
ろう下にはまだ2組の生徒がいる。騒いだせいか、人数が増えている。
普段なら茶化しに来る面々もこの雰囲気にはさすがにその気は起きなかったらしい。

有田にはろう下で待機してもらうことにした。
菊野はずっとにらんでやる。
獲物を狙うライオンのように。

(そこまでの大物じゃないわな。びびっとるんか。)



※ 指導のポイント

(1)授業中の私語は授業妨害

私語が許される雰囲気はいけない。
れっきとして授業妨害であり、その際には厳しく指導する。
もちろん、他の教員の協力をもらうことも必要である。

一番重視することは生徒が安心して授業を受けられる環境である。

次回 → 第70話 vs 1組 その3