第72話 初日の昼 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第72話 初日の昼

職員室にいると、内線が鳴り、島田が呼び出された。
保健室からだった。



保健室には1組の小川(女子)がいた。
上靴をぬいで、足首に河野から湿布を巻いてもらっている

「どうした? 大丈夫??」
『いやー、、、ちょっと』

河野が説明をする。
帰りのSHR後、お弁当を食べる前に手を洗いに行ったところ、向井と甲本たちがろう下で走り回っていて、突き飛ばされ、脚を捻ったという。
そして、向井たちは走り去って行ってしまった。

「それさ、いけんくないか。ちょっと呼んでくるわ。」
『え、先生、いいよ、いいよ」小川が止める。



「謝罪してもないし、危ないし。何より許せれん。こうやってケガをさせて放っておくとは」
『いやいや、先生いいよ。いいから。私が鈍かっただけだから』

「鈍いとか、鈍くないとか、おかしいって。放置しておけんでしょ?」
『ほんっとにいいから。言っても面倒になるだけだから』

「それでまた何かがあるなら、最後まで指導するから」
『そうやってうまくいかなかったもん。見たでしょ。あの様子』
何度か押し問答をやった。

「わかった。今回だけ、見逃すわ。でもね、次あったら、絶対、放置しておかんから」
『先生、いっつもそうやってきたん?』

「そりゃ、そうでしょ。いけん?」
『いやー、すごいなって。今日の学活とか、超やばかったし。あいつらにあんなこと言うとは思わんかった』

「かなり雰囲気悪かったよね。でもさ、いけないことを教えるのが教師の仕事でしょ。必要なことはこれからも言うよ。」
『大丈夫かな。あいつら、ああやって、小学校で学級崩壊してきたらしいし』
小川は学区外組だ。

「やることはやる。だけどね、負けてやらないこう見えてもしぶとい。困ったことがあったら教えてね。」
『わかった。そうやって先生が言うなら、私もまじめになるわ。ちょっとね』
と笑いながら小川は出て行った。
小川は帰りのSHRではばっくれ組、女子で抜けるのは1/3もいない中での。


※ 指導のポイント

(1)生徒の心配をする

こう書くと誤解を生むかも知れないが、生徒のことをとにかく心配してあげる。
気にかけているというメッセージを発信する。

そして、それが自然に出るようになりたい。
出ないなら、余計にでも心配をするくせをつけたい。
生徒はやっぱり自分のことを大事に思ってくれる人を信頼する。

自分の都合じゃなくて、生徒のことを優先する先生になろう
だから何か合った場合には「どうした?」と理由を聞くことからはじめよう
頭ごなしに怒るなどもってほかのだ

次回 → 第73話 お昼の教室の状況