第75話 2日目のゆくえ | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第75話 2日目のゆくえ

夏休みが明けて2日目。
朝の集会で、教室を施錠することになった。



島田は3時間目に授業が空いていたので、教室へ上がってみた
体育だったので本来はカギがしまっているはず。
1組は施錠されていたが、2組はされていなかった。

(説教が効いたのかな。それとも、代議員が優秀なのかな)

そのとき、甲本が授業中であるのに、教室へ姿を出した
「なんでここにおるん?」
『いやーー忘れ物をして』とぽりぽりと頭を掻いている。

様子を見ていたら、甲本がきょろきょろとこちらを見ながら探しものをしていたが
『いやーなかったわ。家かなー』と言って頭を捻り、教室を出て行った。

甲本は生徒の持ち物を盗んでいた事件があった。
それを考えると、この行動は明らかにおかしい。
そもそも、授業中に教室へ物を平気で取りに帰らせるとはありえない。



「土井先生、こういうことありまして・・・」
島田はさっそく甲本の一件について相談した。
職員室の雰囲気は最悪だが、見る限り、強い権限や口を持っているのは土井であるので話しかけた。

『前からそれは問題だと言われているんですが、全然改善されていないんですよ。
けっこうな人数が教室へ忘れ物だと言って帰るみたいで。
帰らせる方もねえ。見ていないところで何かあったらどうする気かね』
「いやーありえないですね。だから問題が起こるんですよ」

『本当にその通り。明日の職員会でそのことを話題にしましょう』

学校体制が緩すぎる。
だから小規模校なのに問題が山積しているのだ。
赴任して3日目だが、うんざりすることが多い。

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帰りのSHR。
1組は時間通りではないにしろ、全員が教室へ入って、そして静かにSHRが進行した。

一方の2組はろう下に出ている生徒はまだまだいたし、にぎやかだった。
1年生の様子を真似てか、2年2組の生徒もろう下にたむろするようになっている。

有田と赤井が指導に入ってくれているが効果はなさそうだ。

「今日のSHRは静かに順調に進んですごくよかったよ。明日は時間通りに始められるといいね」

2組のことにはふれなかった。
昨日の今日だけに生徒から何の声も上がらなかった。
教室の施錠については、生徒が昼食を食べるのもあり、時間を決めて施錠しに行くことにした。

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職員室で昼ごはんを食べて、施錠の時間になった。
動き出す様子がない佐々木に声をかけて、一緒に3階に上がった。

あいかわらず、黒板は落書きがされて、机は乱れていた。
生徒はまだまだいたが、「施錠するぞ」と追い出した。


※ 指導のポイント

(1)指導したことはチェックする

施錠するのであれば、それが軌道に乗るまでは教員がチェックをする必要がある。
そして、よければよいと評価をしてあげる
いけないのは言いっぱなし。

それが続けば生徒は言うことを聞かなくなる
言ったからにはその責任を行動で示すべきだ

次回 → 第76話 徹底しよう