第79話 島田の初授業 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第79話 島田の初授業

1組で初の授業があった。
相変わらず、異様な雰囲気であったが。



島田は思ったことを正直に言う。
授業では、関連した話題には、雑談を入れた。

題材について、教科書的な解説も入れたが、自分の意見も入れた。
生徒の何気ない発言も取り上げた。

1組の生徒は驚いていた。
授業が面白かったのだ。

己斐にしても、赤井にしても、黒板ばかり向いて授業をして、解説書に書いてある通りのことをしゃべっているだけ。
内容をきちんと教えている点では問題がないのかもしれないが、面白くともなんともない。
サラリーマン教師と呼ばれる質だ。

しかし、成績、受験があるから授業は聞いておかないといけない。
その思いで生徒は突き動かされていただけだった。

島田には意外性があった。
変わっていると言われる所以でもあった。


「おれは、こう思うんだけどさ」堀田が発言した。
堀田は小学校で児童会長を務めており、小学校時代から周りが一目置く存在であるが、菊野たちとつるんで教師を攻撃していた。
教科書的に言えば、不正解だが、堀田らしい素直な意見だった。

「なるほどなあ。堀田くん、それ面白いね!」
その後、堀田の意見を元に、授業は横道にそれて進んでいったが、堀田の発言で1組の雰囲気はがらりと変わった。
少しだけほんわかしたのだった。

生徒の発言で、授業で横道それることがある。
それは大事なことだと島田は思っており、時間的余裕があれば積極的にそれた。
生徒は生徒らしい目線で話をする。
それを大事にして、こちらの狙いに最後は落としていく。

だから、雑談をしたし、生徒の何気ない発言を拾った。
これが島田のやり方だった。
ゴールを自分の中でしっかり持ってさえいれば、必ずうまくいく。

生徒の見る目が変わった


※ 指導のポイント

(1)授業で勝負

何を偉そうなことを普段言おうが授業がしょぼければ生徒への説得力なんてない。
逆を言えば、授業が面白い先生は、生徒にはなめられないのだ。

だからこそ、授業準備に命をかけ、授業には情熱を注ぐ。
これが教員の基本であり、自衛手段でもある。

次回 → 第80話 ろう下にたむろを指導する