第89話 感謝 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第89話 感謝

藤川に対するいじめの指導ということで、藤川の家に報告の電話を入れた。

『先生、ありがとうございます。うちの子からも話を聞いています』
と藤川母は喜んでいる。
『今まで己斐先生に何度も言ったんですが、何もしてくれませんでした。校長先生も同じで。だから先生だけが頼りなんです。これからもお願いします』


学校生活の模範となり、ルールを守らせるのが教員であるが、それが機能していないということである。
生徒にとって、学校の先生が何もしてくれないほど不幸なことはない。
この生徒の不幸を嘆かずに、自分自身の不幸を嘆くものが多い。

力のない教員は多い。
それでも高給をもらっている。
年齢に比例するわけで、何もしなかったと非難される己斐は、島田の年収の150万は多いことだろう。

でも、それは働きに応じるものではない。
何をしなくても、一生懸命やっても、給料は年齢に比例するだけ。
公務員の虚しいところである。

歳を重ねるごとに、意欲がなくなっていく教員が多いのはここにある。
「若いのにやらせとけ」ってね。



「何かあったらすぐに教えて欲しいんです。できるだけその日のうちに。そうしたら、すぐに指導しますから。いつでも連絡してくださいね」
と島田は強調した。
保護者へに安心感を持ってもらうことも大事だが、指導はとにかくその瞬間なのである。

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さて、気になるのは、いじめは1組だけじゃなくて、2組でも起こっているということ。
確認したわけじゃないが、この雰囲気であればある。
それが大きい小さいかは別だが。

この危機意識を学年全体で、いや学校全体で持ちたい。


※ 指導のポイント

(1)保護者に安心感を

とにかく保護者は味方だ。
責める相手ではない。

だからこそ、保護者へのフォローは必要であるし、優しく接する。
何かあればすぐに連絡をください、といつも言っておく。
そして、すぐに対応するのだ。

これが信頼関係を得るためには必要なこと

次回 → 第90話 謝罪。そして・・・再び。