不良に対してどう考えて、どう指導したらいい? | t-labo(中学校教師の支援サイト)

不良に対してどう考えて、どう指導したらいい?

初任校でびっくりしました。

授業にも出ずに金髪の生徒が中庭でひなたぼっこ。
他の先生はそれを見て見ぬふり。指導なんかしやしません。

そんな不良たちは、新任教師に向かって、

はあ!? うざいんじゃい、あっちいけや!

の強烈な洗礼を浴びせるのでした。



不良ってなんだ?


不良生徒、不良、ヤンキー・・・何と表現すべきかよくわかりませんが、不良と書かせてもらいます。

問題行動を起こす生徒と不良の違いは何でしょう。
ぼくの住み分けは、問題児は学級に所属しともに活動して、その中で問題を起こす生徒。
一方、不良は学級に所属せずに、髪を染める、授業には出ない、喫煙など非行に走る生徒。

という形でさせてもらいます。

新任教師には、常識の範疇を超えていましたね。
あ、、、ありえない・・・って。



変えることができるのは誰か?


教師が不良たちを変えることができるのか?

僕の答えは「ノー」です。
心の支えの一つにはなれるけど。

人間が変わるためには、きっかけが必要。
そして、その時に本人が「絶対変わるんだ!」って思いが必要。

それができるのは誰か。

本人。

そして、親ぐらいなものでしょう。
教師なんて、赤の他人であり、学校だけのお付き合いですから到底無理ですよ。
更生施設のようにその子にべったりと張り付いて共同生活するならまだしも。

こんなことを書くと、「お前は教師失格だ。熱意も何もないじゃないか」と思われるかもしれないけど、
じゃあ、自分が他人から「こんな風に変われ」といって変わりますか?


「サッカーできるようになりなさい」
「100mを11秒で走れるようにしなさい」
「英語を話せるようになりなさい」

できるようになりますか?

答えはノーでしょう?

「なんでそんなことをしないといけないのか?」って思いませんか?
きっと不良たちもそういう思いですよ。

どういうきっかけでそうなったのかはわかりませんが、行き着いた先が今なんですから。
難しく、そして悲しい問題なんです。



教師には何ができるのか?


じゃあ、教師はどうしたらいいか?

それは生徒に寄り添い、話を聞いてあげて、心の支えとなることです。
勉強ができるようにならなくても、金髪が元の色に戻らなくても、禁煙できなくても。

「中学校来てよかったよ」
「大人の中にはいいやつもいるんだな」
「この人には迷惑かけたらいけんな」

と思ってもらえたらいいんじゃないかな。

つまり、人間関係を作って、つながるってこと。
勉強させて学力を伸ばすのではなくて、その子たちの個性を発掘してあげる、人生の雑多なことを教えてあげる、礼儀やマナーを教えてあげる、そうして次につなげていくのも教師の役割だと思うんですよ。

そんな中で、その子たちが自分について自信を持ち、肯定的に人生を考えるきっかけとなれたらよし。
いい人間関係をつくっていくと、自然とその子たちも、「授業や先生、学校に迷惑はかけたらいけない」って思ってきて、それなりの住み分けをするんですから。

いい子たちだなって自然に思える瞬間です。



いい人間関係をつくっていくには?


例えば、道を歩いていて、すれ違ったおっさんに「猫背になっているから気をつけなさい」って言われたらどう思いますか?
腹が立つ? 無視をする? 反省して猫背を治す?

おそらく否定的な反応をするでしょう。
それは自然なことのはずです。

じゃあ、それが自分が尊敬する先輩、上司、師匠から言われたら?
きっと、直そうという肯定的な反応になるはずです。

人間関係の基本ってここにあると思うんです。

よく知らない人から声をかけられたら嫌なんです。

だから、いくら相手が金髪にしても注意をしたらだめなんです。

まずは親しくなってから


です。
問題について放置しているかもしれませんが、外堀を埋めないとうまくはいかないことは多いです。
現状は、それについての過去があるわけで、すぐに変えられるわけではありません。

だから、声をかける、相手に興味を持って話しかける、の繰り返し。
めげずにね。

「その着信音って、◯◯が歌っているんだっけ?」
「その髪型のここがいいね」
「けっこう筋肉あるじゃん。筋トレしてるん?」


そんな積み重ねで相手と親しくなっていくしか方法はないんじゃないかな。
世間様が思っている以上に劇的には、難しいと思います。

でも、その子が卒業式に参加するときに、「迷惑をかけちゃいけん」って、髪の毛を黒色に戻してきてくれた時には、感動するんですよ。



終わりに


指導を諦めるわけじゃなくて、信頼関係を作りながら、きっかけを与えていく

ってことが大事だと思います。
それが世間の合格レベルとならなくても、人間的に成長したらそれだけの価値があるんです。

だから、地道に焦らずに、包み込む気持ちでやっていきましょう。
いい子たちばかりですから。