学級での多数決の論理~みかんで暴徒化する | t-labo(中学校教師の支援サイト)

学級での多数決の論理~みかんで暴徒化する

うわあぁぁぁ、、、なんじゃこりゃ。

給食のみかんに群がる生徒たち・・・。
集団の力が恐ろしいとこんなに思ったことはありませんでした。



残されていたみかん


もちろん、あってはならないことですが、給食のみかんが配膳室に残ったまま給食が終わってしまいました。
気づかなかったのです。

片付けで気づき呆然。
とともに、やばい、昼休憩中に全員にきちんと食べさせないと!
即、行動。

まだ近くにいる学級の生徒に声をかけ、みかんを配り食べさせる。
もちろん、教室内で。
外にみかん持ち出しは禁止。遊ぶ、騒ぐ原因になりますから。

いらない子もいるので、みかんには余裕があります。
そのうち、誰がいないとか集計してくれる生徒や廊下などにいる生徒に呼びかけてくれる生徒も出てきます。
ありがたい。

10人未満が校庭で遊んでおり、帰ってくるのは昼休憩後。
5分後には、5時間目の授業が始まる。
しかも、移動教室。

時間がないので、みかんの皮を先にむいておき、教室に返ってきたら食べさせるようにしよう。
とともに、隣のクラスの担任がまだいたので、事情を説明し、次の授業の先生に事情と生徒が遅れていくかもしれないことの連絡をお願いする。



みかんで暴徒化する


昼休憩が終わり、教室にいる生徒は次の授業場所へ移動する。
教室ががらがらになる頃に、外で遊んできた生徒が返ってきたので、事情を説明しみかんを配ろうとしたその時、

わあぁっ! と、生徒たちがみかんに食缶に群がりみかんを取っていく。
気づけば、なぜかみかんは0。
5,6個余るはずなのに。

食べ物を生徒が手で触ったわけで、もうそれを返却しろとかというのはできない。
それに、すべての生徒にみかんは渡ったわけでよし。

結局、生徒の大群に、教室に残っていた生徒も加わったり、2個取ったり。
生徒は数にものを言わせて、みかんを奪っていったのでした。

それは暴徒のようでした。



数の論理


教室に教師1人生徒1人の時、生徒は牛乳のストローの袋をぽいっと投げたりしない。
でも、教室に教師1人生徒40人の場合は、複数の生徒がストローの袋をポイ捨てする。
教室の床に。

人間は人数が多くなると、その数に応じて責任感が減る

ということを聞いたことがあるけれど、それは本当。

大勢になると、さぼる奴が出てくるのと同じ

1人が何かをするのと、10人が何かをするのでは全然違う。
みかんの例で言うと、1対1の関係の時には、「みかんがもう1つ欲しいけれど、もらえないよな」程度のものだったが、
複数人いると、「みかんが欲しい。これだけいれば自分だけは2個もらってもいいよな。ばれないよな」という心理になってしまう。

教師をするということは、集団を相手にすること。
常にこの数の論理を肝に命じておかないといけません。



教室での多数決とは


教室での力関係は数の論理が根底にあり、原動力で、クラスが突き動かされています。

そして、それは多数決で決まる

と思っています。
この多数決というのは、普通のとは違って、生徒を3つにわけて考えています。


1.肯定派
 学校生活に前向きで、ルールや秩序が好き。授業や行事にまじめに取り組む。活発でポジティブ発言。
 もちろん、リーダーはここに属する。
 ここの人たちが多いと、いいクラスになる。

2.否定派
 学校生活には後ろ向きで、ルールよりも自分の機嫌などに左右される。
 否定的な言動をする。
 ここの人たちが多いと、学級崩壊に向かっていく

3.仏像さん
 周りの流れに従順で、基本的には足はひっぱらないが、積極的に何かをするわけでもない。
 授業中は静かにしていて、発表はあまりしない。
 ここの人たちが多いと、クラスが重苦しくなる


なぜ、仏像さんなんて表現するかといったら、多数決において、ただそこにいて参加しないからです。

教室の数の論理は、肯定派と否定派の多数決にあると考えています。
仏像さんたちは、いてもいなくても大勢には影響はありませんが、数が多いとネガティブな方向にいく気がします。

この暗黙のうちに行われている空気を読む的な多数決でどうなっていくかが、クラスの行き先を決めます。



学級崩壊に向かうクラスの特徴


いろんなクラスに授業に出てて思いますが、学級崩壊に向かうのは、次のステップがあるような気がします。

1.否定派の発言がまかり通り始めると学級は荒れていきます
(肯定派が多いクラスでは、否定派は言いにくい雰囲気になるし、言っても逆に文句を言ったり、たしなめたりします)
 → 授業中に私語が多くなる
 → 誰かの悪口や誹謗中傷、いたずらが増える など

2.仏像さんの中から、否定派にジョブチェンジがでてきます

3.肯定派は勢いをなくし、仏像さんになる人が出ます

という感じで、正義が通らないクラスになっていきます。



学級崩壊を防ぐには


いろんな方法があります。
例を挙げるとすると、

1.肯定派をしっかりとほめまくる
→ 肯定派の勢いがつく
→ 仏像さんからいつの間にか肯定派になる人が出てくる
→ あれ、いつの間にか、否定派でも肯定派が出てきたよ

2.否定派のネガティブ行動を教師が許さない
→ 否定派はそれ以上勢いがつけられない
→ 仏像さんは、否定派にいっても得はないな。仏像のままでいっか
→ 肯定派は安心して生活ができる



集団をきちんとコントロールする


学級はいろいろな感情が行き交い、それは時として大きなエネルギーとなり爆発することがあります。

教師はプロですから、授業をしながら、終学活をしながら、生徒の様子をしっかりと見ておく必要があります。
そして、ポジティブな方向で集団が動けるようなクラスづくりへといかしていくのです。

間違っても、ネガティブにまとまってしまうと恐ろしいことになります。