第200話 クラブの状況は? | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第200話 クラブの状況は?

『先生、部活動のことを教えて欲しいんです。どうやったら愛がもてるかって』
「ああ。でも、先生は生徒に愛を持っているんでしょ?」
島田がいじわるに笑う。

駐車場で島田にズバリと言い当てられたあと、佐々木は島田を晩ごはんに誘って食べに来ていた。
島田に痛いところを突かれたが、気になっていた。

『いや、、、そのことは・・・まあ、おいておいて、部活動のことを教えてほしいんです』
「じゃあ、先生、この学校のクラブでちゃんと機能しているのは、どこのクラブですか?」



佐々木は色々と考えを巡らせた。
『野球部とか熱心に練習してますよね。テニス部もよくやっているし・・・』

「そうですか?」島田は首を傾げた。

「ぼくからすればですよ。野球部は手を抜いて遊んでいるし、職員室から一番離れているから、体育館の影に隠れてゲームやったらお菓子くったりしていますよ。
陸上部とか、サッカー部とか合同練習だって言って、意味不明なことをグラウンド使ってやってます。

テニス部は上級生が1面しかないコートで試合ごっこをしてるだけで、うまくなるわけないですよね。
練習メニューがないんで、テニスっぽいことをやって遊んでいるだけですよ

サッカー部は体育館の下駄箱のボールをぶつけたり、買い食いをしたり、めちゃくちゃな服装したり。
バレー部はごろごろして遊び呆けているだけだし。
陸上部はいつも鬼ごっこしかしてないし。」

佐々木は驚いた。島田は8月末に来たのにそこまで観察していたのか。
「この学校が何で荒れていると思いますか?」



『そりゃあ、地域が悪いんですよ。親の躾がなってないし。非協力的だし。』

「いや違いますよ。この中学校にやりがいがないんですよ」
島田は言い切った。
『やりがいですか・・・・』

「生徒の楽しみといえば、大抵は部活動が多いですけど、この状況ではやりがいではなく、ただのだらだらであり、堕落であり、時間つぶしですよ。
そんな状況では生徒は成長しないし、鬱憤が溜まるだけですよ。
部活動がもっと活性化すれば、生徒は間違いなく変わりますよ」
『なるほど。そういうもんなんですかね。』


「こういうとあれなんですが。バスケ部の生徒はちゃんとやっていると思いませんか?」
『ああ、たしかに。挨拶もきちんとするし、マナーもいいですよね。さすが先生!』

そう、バスケ部は島田が顧問だった。
「ぼくが特別にすごいとかじゃなくて、ただ単純に教えるべきことを教えただけなんですよ。それを他のクラブではやっていないから、だらけきってしまうことになるわけです。うちの学校の先生たちはクラブには愛がありませんから。


で、この前言ったのは、クラブ指導を熱心にやってみれば、教師の本質が見えてくるし、成長できると思ったからですよ。
担任を持つよりも、クラブ指導をする方が楽しいし、すぐに身につきますし、効果もありますからね」

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