第201話 愚痴の話 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第201話 愚痴の話

『なるほどなあ。そうなんですね』と考えこむ佐々木。

「ちなみに、今、他のクラブの悪口を言ったわけですけど、これも他の人に吹聴して回るんですか?」
『え、吹聴して回るって・・・』

佐々木は焦った。
島田のいないところで、愚痴っていたらそれが広まっていたことがあり、その時に島田に指摘されたのだ。



『あの、この前は本当にすいません。。。別に悪意があってとかじゃなくて、気分が落ち着かず、むしゃくしゃしていたから、つい・・・。
といっても、言ったのは荻原先生だけなんですよ。
荻原先生とは気が合うというか・・・・』
同じく学級崩壊している同士だから、と続けられるはずもなかった。

『にしても、荻原先生ですよ! 荻原先生が愚痴っていることも聞いたのに、おれは言っていないですからね。こういうことになるとは思わなかったんですよ。
本当にすいません。』
佐々木は頭を下げた。

「別にいいですよ。でも、気をつけた方がいいですよ。
言ったことは基本的に広まりますから。
よっぽど言わないってその場で言った人でも、『時効だ』とか『この場だよけ』とか言ってしゃべっちゃいますからね。こうやってどんどん広がっていくんですよ」



「日頃、生徒に陰口は言ってはいけないって言う教員が言うんですからねえ、本当に情けないですよね」
『・・・ですね。言われてみればそうですよね!』

「だから、ぼくは愚痴は言わないようにしているんですよ。
先生も気を付けた方がいいですよ。ポロッともらしたことが、勝手に解釈されて広まっていきますから。
で、どこかの飲み会でうわさ話になって、ボロカスに言われるんですよ」

『まじですか・・・。嫌ですね。』
「うちの職場は女の先生が多いのでその手は強いですよ」

『たしかに。土井先生と河野先生はいっつもうわさ話ばっかりいってますよね。。。ああいう人たちには気をつけないといけないんですね』
「土井先生は、だんなさんが教育委員会にいるから、一気に広まるよ」

『あ、そうか。この前の校長が急に方向転換した一件は、土井先生のだんなさんが動いたという噂ですよね。なんか、監視されている気分ですわ。
というか、絶対、ぼくのこと、役立たずって言いまくってますね』
「そうかもしれませんね。でも、気にしても仕方ないですよ」


事実、土井はよその学校の教員に「新採が役に立たない」「学級崩壊して放置している」などと言いふらしており、練習試合に言った先の顧問から話を聞くことがあった。
とはいえ、そのことは本人に言えるはずもない。

「でも、仮にそれが嫌だとしても、土井先生とは仲良くした方がいいですよ。じゃないと、どんどん悪い噂を立てられるだけですよ」
『ああ、、、なるほど・・・。そういうこともいるんですね。教員って本当に面倒くさいですよね。生徒愛云々の前に、教員愛について考えないといけませんね』

※ 指導のポイント


(1)愚痴はこぼさない

愚痴ばかりこぼしていると、相手に悪く取られ、陰口を言っていると思われてしまう。
その陰口はどんどん広まり、都合のいいように利用され、解釈され、自分の首を絞めてしまう。
それが事実であるかよりも、そのようなことを言ったらしいというだけで有罪なのだ。

愚痴をこぼすことはリスキーであることを自覚すべきであり、誰も彼もではなく、特定の人間のみ、他業者の人間にのみこぼすなど、明確な線引をするほうが無難である。

次回 → 第202話 生徒への関心