第204話 掃除の指導の準備 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第204話 掃除の指導の準備

佐々木は朝読書、給食指導と取り組みを始めるとともに、掃除の改革にも取り組んだ。
といっても、島田から取り組むように言われたのだった。

「掃除のやり方はいろいろあって、生徒に点検させるやり方がいいと思いますよ。
生徒 ⇔ 教師 ではなくて、

生徒 ⇔ 係生徒 ⇔ 教師

のように中間管理職をつけるんですよ。そうすると、今まで教師が責任を取る形だったのが、係生徒が受け持つようになり、機能すればチェックも係が行うようになり、生徒の自主性も伸びます。
なにより、教師の手間が省けますよ」



『なるほど。それって面白いですね。でも、、、うちの学級ではそういう体制を取っていないので難しいかもしれません』
「まあ、そうですよね。こういうことは、年度始めに仕組むものですからね。今は応急処置でしかないですね・・・。
やるとしたら、何がいいですかね。ぼくもそう経験豊富なわけじゃないので。」

と島田も豊富にバリエーションを持っているわけじゃないことがわかり、佐々木はちょっと安心した。

結局のところ、次の4つを行うことになった。

・掃除完了時のノルマを細かく設定すること
・最後に必ず教員のチェックを受けること
・手抜きなどの場合は放課後等のやり直しを徹底すること
・生徒に状況を報告し、意思疎通を図ること


書き出してみれば当たり前のことかもしれないが、佐々木はこれをやれてはこなかったし、明文化したことはなかった。
一番がんばらないといけない部分は完了時のノルマ設定だった。
掃除担当の先生と相談しながら、どのくらいのレベルであるかを細かく書き出していった。



教室であればこんな具合である。

・黒板やさんにチョークの粉が残っていない
・黒板消しがきれいになっている
・机は水拭きができている
・机イスがきれいに整っている
・床にゴミが落ちていない
・隅々までしっかりと雑巾がけがしてある
・掃除道具がきちんとロッカーに入れてある
・ぞうきんがきちんと洗われて、きれいに干してある


これを印刷して貼った。
そこまですることではないかもしれないが、2組のモラルは最低だ。
「ここに書いてある」という根拠も大事であった。

もしもなかったら、「掃除ちゃんとやったじゃないか!」と食いつかれることになる。

佐々木は一連の作業をやりながら、「幼稚園児のレベルだな・・・情けないなあ・・・こんな子どもに育てる親はどうかしてる」と文句を言った。
うまくいくかはわからないが、準備をすることは大事だとつくづく思った。

佐々木は「まあ、なんとかなる」と思って今までやってきて、散々うまくいかなかった。
教師の常識は子どもの常識ではないので、「いちいち言わないとわからない」のである。
そのため、暗黙の了解なんて存在しないので、乱れるわけである。

一人前の教師と呼ばれる人は、結局のところ、細かいレベルでの指導が行き届いているということなのかもしれない。

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