第219話 強烈・・・ | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第219話 強烈・・・

新年度がスタートした。秦が転勤の挨拶をした
ちょっと顎がしゃくれてはいるが、普通の感じだった。

しかしながら、この秦が強烈だった。
誰もがそう思った。



「おっ、おひさし!! 元気にやっとる!!」と秦は佐々木を見るとギャハハと笑いながら声をかけた。
大きな声である。
「いやあ、まじびびったんだけど、ここってさあ、場所がわからんし。ってか、教員少なっ!! 前の学校はさ、もうぎゅうぎゅうで」
「昨日さ、私ね、宅急便が届いたんだけど、これがマジむかつくんだわ」

などと、ひたすらにしゃべるのだった。
昼ごはんの時間になっても、暇があればギャハハと笑いながら大きな声でしゃべる。
しかも、自分の話をひたすらするのである。

(新人類・・・)有田は心底思った。

昼ごはんの後は、さっそく職員室の席替えとなり、新しい学年団のスタートとなった。
佐々木の横は秦、真向かいが有田。秦の真向かいが赤井の配置である。





「えっ、どっちが楽なんですよかー。教えて下さいよー。私は女の子なんで、楽な方がいいです。レディファーストですよね」
新1年生も2クラスだけであり、そのクラス分けは小学校の教員が行っている。
なので、どちらがいいとも言えなかった。

3年団が小学校で新1年生の引き継ぎに行っていたので、この学年会で実際に知るものはいない。
赤井は川島から話を聞いていただけだった。

『まあ、出たとこ勝負じゃないかね。こればっかりはわからんね。』と有田。
それを受けて、学年主任になった赤井が話をする。

「この石神ってのが、トップみたいよ。
そもそも、小学校で悪さばっかりするから、転地療法でこの神無月小に転校したらしい。

小規模校だったら目も届くしいいだろうと保護者は思ったんみたいなんだけど。
それが大きな間違いで、石神はクラスだけじゃなくて、学年で、校内で大暴れして1組、2組ともに崩壊させたらしいのよ。
だから、石神がいるクラスはいい子を多めに入れてあるみたい。

どうやって抑えるかを考えないといけんね」

『まじですか・・・』赤井の話を聞いて、がっくりきた。
心機一転と思っていたのに、また同じような、いや、もっとひどいのが来るのか・・・。

「じゃあ、私は石神のいないクラスにする。うん、決まりね」と秦が言う。
『え・・・』佐々木は言葉がとっさに出てこなかった。

「いいじゃん。決まりね。もう、男なら覚悟決めろよ」

次回 → 第220話 生徒指導に重点を置く1年