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第223話 学年会の様子

あと数日で入学式・始業式。
職員室は新年度の準備にどたばたと追われ、忙しさに追われていた。

今年度は生徒指導に重点を置く1年になるので、運営委員会では学年主任に口酸っぱくなるほどしつこく「適正な運用体制を」と言われていた。
当然、そのための学年会も必要になる。



3年の学年会。
『・・・というわけで、今年度の生徒指導の方針だけど、大丈夫かな?』
平川が島田に聞く。
「たぶん、問題ないですね。去年もやってましたよ」
島田が答える。

『だよねーーー。これって他の学校では普通のことなんだけどね。ってことで、何かあればすぐに報告・相談しましょ』
あっさりと学年会が終わる。


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2年の学年会
荻原、川島、土井、河野の4人で行われている。
土井と河野表情は始終厳しい。

「私は去年から何度も何度も、それでいいのかって言ってきたのに、やらんかったから、ぐっちゃぐっちゃになったんよ。わかってる?」
河野が昨年度のことを持ちだして、荻原を責めていた。
土井はそれに対し『うん、うん』とうなづき、川島はとばっちりを受けないように黙っていた。

「・・・とにかく、今年は絶対にああなったらいけんから、1つずつやりなよ。他の先生達にも迷惑がすっごいかかっているんだから。」
『はい。すいません』
荻原はいつも調子で答えている。これが余計に不安を駆り立てる。




1番もめているのが1年の学年会。
「だから、なんで、いちいちそこまでせにゃいけんのん?」
秦が生徒指導部の方針に文句を言っている。いつものように、タメ口だ。

『でもね、先生、昨年度のことがあって、学校全体で話し合って決めたことだから、みんなでやらんといけませんよ。』
何度も同じ返答をしている学年主任の赤井。

「私の力を信用してないってことでしょ? そうやっていちいち言ってくるのは。」
『先生ね。』有田が口を挟んだ。
『先生には先生のやり方があるんだと思うんだけど、この学校にはこの学校のルールがあるよ。郷に入ったら郷に従えって言葉もあるじゃない。だから、今年はこのやり方はみんなでやるって決まったことだから、やろうや』

「そうやって押し付けるんでしょ。私の考えは尊重されないわけだ。」とゴネる秦。
さっきから会話が咬み合わない。

秦はとにかく自分のやり方を主張し、赤井や有田の話を理解しようとしなかった。
そして、同じ主張を繰り返し続けた。
おかげで、お題が進んでいかない。

昨年度も1年生の担任だったようで、「前の学校では・・・」とやたらに主張した。
その度に『ここは小規模校だから、前の学校のようにはいかない』とたしなめるのだった。
17時には終えておくべき学年会も延び延びなっており「はあ、今日も定時過ぎても、学年会か」と聞こえるように言うのだった。

(誰のおかげで学年会が延びているのか・・・)と赤井と有田はため息を付いた。
自分なりのやり方を主張する秦であったが、ここまで会話が咬み合わないとなると、担任として大丈夫か? と疑問になる。
有田の脳裏には(今年も2クラスともだめかもしれん)不吉な考えがよぎるのだった。

次回 → 第224話 新1年生のクラス発表