第234話 3学年の様子は | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第234話 3学年の様子は

3年達はというと、誰も遅刻をせずに朝読書もきちんとしていた。もちろん、私語もない。
荻原が持っていた時は大違いだった。
そこには学年が上がり、受験生になった意識もあるが、何よりも担任が変わったのが大きい。

島田がどんな教師であるかを値踏みしている。
これが4月というものだ。
ちなみに、平川のクラスは毎年落ち着いており、1年、2年と持ち上がってきているので、2組の生徒たちは安心していた。



島田の学級経営はシステムと効率が基本にある。
学校は同じことの繰り返しであり、そのために「教師」も「生徒」もいかに無駄なく、楽に出来るかがポイントであった。
また、システムを構築する利点は、教師に依存しないため、他の教師があがっても機能すること、もっといえば、完成形になっていけば、教師不在でも機能することにある。

そこに教師の個性や味を入れて運営していけばいいわけである。
ので、3年1組の生徒たち島田のやり方にはすぐに順応していった。
シンプルで効率的はきくのだ。


あと島田が意識しているのは人間味を見せること。
だから、些細な失敗や本音も言う。「人間だからな」とよく言う。


学年集会があった。
移動前の整列時にはよく混乱したりするが、事前に指示をしておけば問題がない。
どちらが先頭で、女子は左、など具体的に伝えおいて、頭の中でイメージをさせておく。
そして、うまくいけばほめる。

一事が万事。


だからこそ、何気ないことをしっかりと教えて身につけさせる。
この姿勢は生徒に伝わり、「きちんとしないといけない」という自覚を持つことにもなるし、ちゃんした行動は行っている生徒も気持ちがいい。問題が起きている方がストレスなのだ。

担任がリーダーシップを発揮すれば、生徒がきちんと動き、混乱も少なくなり、生徒のストレスも減る。
これが良い循環を生み、いいクラスをつくっていく。



「もうね、去年とはぜんぜん違う! これが普通よね。こうならないとおかしいのよ」と隅田が学年集会の帰り道に熱弁を振るう。
隅田は進路担当であるので、去年も3年団に所属していた。

「去年は何から何までぐちゃぐちゃ。しかも、最初から最後までよ。ありえないんだから」とひどかったようだ。
『担任が自覚を持ってやるとか、学年団でまとまるとか、きちんとやらないといけないのよね。それをちゃんとやれば、生徒もまとまっていくはずなのに」と平川。

「小規模校だから、けっこうわがままが通るからいけんのよ。だから手抜きだらけになる。いやあ、今年はまともな1年になりそうでよかった。これだったら、1,2年生もおっと言わせる合唱もできるわ」
隅田は音楽なので、うれしそうだ。

『やっぱり、川島先生もだめだったの?』
「ああ、彼ね。ここだけの話だけど、彼はいっつも生徒のせいにするだけ。自分は理想だけを掲げてね。だから体育の授業もあんなんなのよねーー」
平川がしっかりと頷く。

『ってことは、島田先生、2年生、やばいんじゃないの??』意地悪く言う。
「かもしれんですね。2年生がぼくのところにちょこちょこと言ってきてますね」

『1年生にはサイコさんも来たし、佐々木くんはまた1年生の担任だし、ぐっちゃぐっちゃになりそうね。生徒指導どうするんかねー』
これまた面白そうに言う。
次回 → 第235話 苦戦、苦戦