第236話 ありえない衝撃と荻原の決断 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第236話 ありえない衝撃と荻原の決断

『ああ・・・・もうしんどい・・・』
2日目は午前中だけだったが、荻原は心身ともに疲れていた。
「島ちゃんに聞いたらいいよ」と小川の言葉が頭を離れなかった。

(どうするのが一番か・・・校長にお願いしてなんとか3年生の担任や授業を外してもらったけど、、2年生は去年のまま・・・。去年の崩壊したままの続きで始まってるとは・・・これが1年間も続くのか。どうしたらいい? どうしたらいい?)



荻原は頭を抱えたまま時間だけが過ぎていった。
生徒の下校時刻もとうに過ぎ、島田が帰りだした。

荻原は(やっぱ、もらったほうがいい)とようやく行動に移した。
『島田先生、ちょっといいですか』とろう下で島田を呼び止め、
『先生が使っている給食の当番表が欲しいんですが。なんか、小川がですね、あれがあった方がいいって言うんで』と小川のせいにしながら言った。

「ああ、小川が。去年使ってましたからね。いいですよー。でも、明日でもいいですかね。もう帰るんで」
『もちろんです。1時間目の学活で決めようと思ってます。』
島田は何かを思いついたかのように考え事をしながら帰っていった。

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翌日、島田が給食当番表を持って現れたのは、朝読書の時だった。
2年1組の荻原のクラスは朝からうるさかった。
島田が現れると
「わあっ!先生!!」と生徒たちが驚いた。そして、静かになる
『先生、どうしたん?』と甲本が聞いてくる。

「届け物をしに来ただけよ。君たちは今、何中?」
『読書に決まってるじゃないですか!』と甲本はにこやかに言うと読書を始めた。
「そうだね、よくわかってるじゃん。さすが甲本。2年生になってもがんばってるんだね」と言った。
他の生徒も黙々と読書を始めた。

この光景に荻原は心底驚いた。
(俺があれだけ言ってもうるさかったのに、島田先生が来たら静かになるってどういうこと!?)
島田は荻原に当番表の使い方を簡単に説明し、生徒たちの様子をしばらく観察した後に、帰っていった。

島田が帰っていった後、しばらくしてからさざ波のように私語が始まっていった。





3日目は4時間目に集会指導があり、全体集会の時の並びや整列、点呼など確認する。
廊下に整列させてから体育館に入っていくわけだが、1,2年生は並ぶだけでがちゃがちゃとうるさく、時間もかかり、10分休憩では点呼まで行き着かなかった。
当然のことながら、体育館についたときには3年生は点呼も完了し、行儀よく座って待っていた。

そこから、点呼の方法、並び方の練習などがあった。
荻原の視線は3年生に釘付けだった。

平川のクラスはいつもきちんとしていた。
去年はその隣でだらけているのが、荻原のクラスであった。
今年は島田に変わったわけだが、驚くほどビシっとしていて、平川に負けるとも劣らない状態だったのだ。

しかも、その会の間、3年生はマナーがよかったのだ。
方や、1,2年生は後ろを向いたり、私語をしたり、落ち着きがなかった。

(島田先生は何をやった!? 俺が3年の担任でもこうやってできたのか・・・? いや、、、違うだろうな・・・でもどうやったんだろう)
荻原は驚きで頭がパニックであった。


放課後。荻原はある覚悟を決めた。
『島田先生、教えてください』と島田に教えを請うたのだった。
次回 → 第237話 できるか、できないかじゃなくて