第242話 校内巡りにて | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第242話 校内巡りにて

1年生は3日目に校内巡りの時間があった。
1組、2組は別ルートで校内のどこに何があるのかを知るわけだ。
中学校になると、移動教室が多くなり、入学したての1年生は狭い校内とはいえ迷子になることもある。

『絶対に静かにいかんといけんぞ』と佐々木は生徒に注意した。
そして、廊下に出た瞬間、失望に変わる。
隣の秦のクラスの生徒も廊下に出ており、その生徒たちと入り混じり、うるさくなる。



『おい、1組はこっちじゃ。こっちを先頭に並べ!』と声をかけるものの3分の1程度には聞こえていない。
秦が怒った顔して近づいてきて
「あんた、何やっとん!! うちはしっかりと並んどったのに。邪魔せんといてや! 早くどかしてよ」と言い放つ。

佐々木は秦の剣幕にびびり、生徒に声をかけていくが効果はない。
「おい!2組。もう行くぞ!!」と秦が大きな声を張り上げる。

『ふう・・・』秦と2組の生徒がいなくなってホッとしたのもつかの間。
『あれっ!? 増えてる・・・』

黒井、近場、三瓶の3人が石神と嬉しそうに話してる。
『おい、お前らは2組だろ? ついていかないと』
「あの秦ってやつがうざいんじゃ。どうせ、学校を見て回るんだろ? なら、こっちで回ってもいいじゃろ」と近場が当然のように言ってくる。

(どうする?・・・・)
佐々木は悩んだ。


『・・・いや、だめだって。君らは2組だから2組と回りなさい』と言うと、
「お前もいちいちうっさいのう!! ふん、あっちへいくわい」と近場らは離れていく。
この意外にあっさりな反応に驚いたが、

「おれは送ってくるわ」と石神が言って近場らについていく。
『ああ、おれも』とさらに続いたのが、村上、沢井も続いていく
『おい、待て。行ったら駄目だ』と佐々木が叫ぶものの、3人は小走りに近場らを追いかけていく。




そうこうしていると、残った生徒たちが賑やかしく、
『おい、お前らも静かにせいや』と注意して、結局のところ、どっちつかずの対応になり、完全に石神たちを見失った。

(ま、いっか。うるさいのも消えたし、そのうち帰ってくるだろう)と佐々木は安易に考えた。
そして、校内めぐり出かけた。


当然のことながら、それで済むわけもなく、近場たちに合流した石神達6人は2組に合流する気もなく、校内徘徊を始めたのだった。
「秦ってやつまじめんどい」
「佐々木はびびりであいつは問題ない」など好き勝手なことを言いながらウロウロする。

この6人が授業している土井に見つかり逃げた。
これがきっかけに空き授業の教員が駆りだされ、一時騒然となった。

*********

休憩時間になり、佐々木と秦は職員室に呼ばれ事情説明を教頭から事情説明を求められた。学年主任の赤井もいる。
「この人が、うちのクラスの邪魔をしてぐっちゃぐっちゃになったんです」と人のせいにする秦。
『秦先生、その時には点呼した?』

「えっ、私のせいですか?」と驚いた声を上げる。
『そうじゃなくて、点呼をしたかどうかを聞いている』

「あの人数で動いているのに、点呼できるわけないじゃん」秦は興奮してくる。
『教師が引率しているわけだから、点呼しないといけないし、要注意の生徒がいれば当然チェックするのが当たり前でしょ』

「ああ、、、出た出た。すべて担任のせいってやつね。はいはい、わかりましたよ。私のせいですね。そう決めつけたいんでしょ?」
『あのな、そういう言い方はおかしいだろ』

「そっちがやっとんでしょ。第一、佐々木先生があのタイミングで出てきて混乱させたのが原因でしょ? なんで私が責められるか意味わかりません。で、私のせいにしたいわけでしょ。はい、じゃあ、話は終わりですね。では」と、スタスタと席に戻っていく。

『おい、あのな』と教頭が追いかけていくが、
「来ないでください。それってパワハラですよ」と秦がいい、教頭の動きが固まる。


職員室でいた教員はみんな唖然とした。そして、「サイコパス」とぼそりとつぶいた

どういう指導がよかったのか、はこちら → 242話の指導ケース~校内巡りなどで生徒が自分勝手な行動を時の指導