第243話 帰りのSHR後の出来事 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第243話 帰りのSHR後の出来事

「おい、近場、黒井、三瓶、ちょっと来い!」帰りのSHRが終わるなり、秦は3人を呼び出した。
『は?』と言いながらも近づいてくる。

「お前らが校内巡りの時に好き勝手に行動したせいで、私が怒られたじゃないか! いい加減にせえよ」
『は? 迷子になっただけじゃん』と黒井は怒り顔で言う。
3日目だが、連日、秦から怒られてばかりいるので、秦に対して怒っていた。



「わざと1組に残ったんだろうが。ちゃんとやれや! 迷惑かけんなや」
秦も怒っている
『そもそも、指示が聞こえんかったし、怒られたのを俺らのせいにするっておかしくない?』

ごもっともだと近場も三瓶も頷く。
「はあ? 何言っとん。お前らが勝手にやるから、私が怒られるんじゃん。何考えとん。私に恥かかすとどうなるか、教えてやろうか」
『恥かくとか、怒られるとか、俺らに関係ないし。迷子になったのを怒られるんならまだわかるけど。自分のことで何怒っとん? 意味分からんし。ただの自己中じゃん』

「自己中、自己中って、お前らのことだろうが! 意味分からんのはお前じゃ。勝手なことするけ、迷惑かかったんじゃ。二度とすんなよ。」
『こいつ、意味分からんし』と黒井が睨む。

秦は話は済んだとばかりに、教室を出て行く。
その後ろ姿に「おい、あいつ生徒のせいにしたで」と近場が聞こえるように言った。




「生徒への指導はしましたから」と秦は職員室に降りてくるなり、赤井に言った。
『先生、ああやって全体で動く場面の時には、特にあの3人を見ておいてくださいね』と赤井は確認をする。

「はい。ちゃんと指導しましたから」とうんざりそうに返事をする。
(いちいち、感じが悪い)と赤井を含め、周りの教員も思う。


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一方、1組では佐々木が石神、村上、沢井を残していた。
『ええか、やったらいけんで。わかったか』と佐々木が言った。
「はい。わかりました。」と村上と沢井が返事をする。

『石神はわかったか?』
「・・・」

『わかったんか?』
「・・・わかっとるわい。うっさいの」と不機嫌そうに言う。


『わかったんなら、二度するよな。もう帰っていいぞ』とあっという間に指導が終わった。

※ 指導のポイント


(1)生徒の行動を指導する

当然のことながら、生徒の問題行動で教師が恥をかく、叱責されることはあるが、それを生徒のせいにしてはいけない。
この言葉を言った瞬間に生徒は「この人は自分のことしか考えてない」と思ってしまう。
生徒の行動を指導して、改善させるのが教師の仕事である。


(2)生徒指導では生徒に話をさせる

生徒指導をするときに一方的に言うだけにすると、生徒は話を聞いていないかもしれない。
だからこそ、「どういう気持ちだったか」「その理由」などを考えさせ、答えさせて、自省させる必要がある。
行動を振り返った時に、どうしていればよかったのかも、教えるべきである。

次回 → 第244話 黒板の落書きと秦の受け取り