学級内の情報源をつくりかた。あるか、ないかは雲泥の差 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

学級内の情報源をつくりかた。あるか、ないかは雲泥の差

時代は情報化社会と言われ、情報の重要性がますます高まっています。この情報は、中学校教師にとっても同じ、いや、もっと重要な意味を持ちます。

たいていの問題は教師不在時に起こり、その一部始終を生徒が目撃しているからです


もしも、学級内に情報源がいたとしたら、解決不可能と思えた事件も解決できるわけです。教師にとっては最重要な情報と言えます。
その情報源を作れたら、どれだけ生徒指導が楽になるか。

では、どうやったら情報源が作れるかのを考えていきましょう。



1.まずは口の固い人間になろう


生徒が気にするのは、「教師が口が軽くてペロッとしゃべってしまうこと」です。クラスのため、先生のために、情報をリークしたものの、自分の存在がバレてしまったら「チクリ魔」として非難の的になってしまいます。

ですので、口の固い人間になりましょう。生徒にいくら「大丈夫、しゃべらないから」と言っても、そうやすやすと信じてはくれません。信じてもらうためには次のような行動が肝心です。

1)生徒のプライベートな事はしゃべらない
2)生徒指導上知り得たことを生徒にしゃべらない
3)生徒のことを馬鹿にしない
4)生徒が「言わないでね」と言ったことは絶対に言わない
 → 言う必要に迫られたら、その生徒に事情を説明して許可を得る



・・・まあ、基本的なことですね。


2.きちんと問題を解決する人間になる


生徒が情報をくれるのは、問題を解決してほしいからです。
問題は当事者だけではなく、同じ学級で過ごす生徒にもストレスです。
例えば、テスト中にカンニングが行われていれば「あいつだけ卑怯だ」という不満感があり、自分には関係ないと言っても嫌です。

指導されたらいいと考えるわけです。
その時に、担任がきちんと生徒の話を聞いてくれて、しかも、指導をきちんとしてくれるのかが大事なポイントになります。
だって、情報を教師にあげても動かなければ「なんで指導してくれないんだ!」とさらにストレスが増えますから。


ですから、常日頃から、生徒指導をまじめにコツコツとしていく姿勢が必要ですし、「不正は許さない」といった正義感を出すことも大事です。
多くの場合、実はここの段階でつまづいているケースが多いのです。
情報をくれないのは「担任が力不足だから・・・」ということで、学年主任などに話が飛ぶこともあります。


3.情報源の選び方


一番やってはいけないのは、まじめだから、代議員だからといった選び方です

そうやって決めつけて話を聞くのは、先入観や偏見でものを見ており、聞かれる生徒はプレッシャーを感じます。
生徒もリスクとリターンを考えており、「教師にリークすること」がどちらになるのかを考えるのです。
「言いたくない」と考えている生徒に、『まじめだから』『嘘ついたら良くない』などと言葉や暗黙のプレッシャーをかけるやり方は卑怯です。


では、どうやって選ぶかは、教師と仲がいいかどうかです


好みかいっ! って言われそうですが、そんなものですよ。
どうやったら仲がよくなれるかといえば、

1)趣味が同じ
2)志向やタイプが似ている
3)生徒指導でお世話をした(被害者側)
4)クラブ指導でかわいがっている



というところだと思います。

ですので、1)~4)の観点から複数の情報源を得るべきです。
ぼくの場合だと

1)ネットで話題になることなどが好きで、そのことを授業やSHRなどで話すので、自然と話しかけてくれる生徒が増えていく
2)「変わり者」なので、クラスに少数いる「変わり者」を強烈に引き寄せやすい
3)こまめに生徒指導をするので、被害者側・加害者側の生徒両方と信頼関係が築きやすい
4)クラブ指導は人間形成だと思って指導しているので、毎年、クラブの生徒が立派になる


という状況です。ので、情報源はかなり多くあり、学級での問題などは割に教えてもらえます。


4.ギブする


基本はギブ&テイクです。心理学的には「好意の返報性」。これが大事。

つまり、問題が起きたときだけ生徒に頼って(テイクを要求する)はいけないってこと

(場当たり的だから、生徒指導がうまくいかないわけです)


ですので、普段から、生徒にギブしていかなければいけません。
そのギブは何でしょうか?
「自分が担任をやっているから、十分ギブしている」と考えるのは間違いです。相手のためにどれだけ汗を流したかが大事です
その、「汗」ポイントは、ありきたりですが・・・

1)生徒の話をしっかりと聞いた
2)生徒のがんばりを認め、ほめている
3)生徒のちょっとしたことを気にして、声をかけている
4)生徒指導をちゃんと行っている
5)生徒と雑談をして、相互理解に努めている



これらのポイントがきちんと貯まっていないと、その生徒から情報はもらえません。
ここで取り上げたいのは、雑談。

帰りのSHRが終わった時に、すぐに職員室におりますか?
そうはせずに、生徒と会話をしてみましょう。土日のクラブ指導の際にも同様です。解散した後に、だらだらしている生徒と話をしましょう。
何気ない会話が生徒にとっては大事で、生徒と教師の心の距離を近づけます。

こうして雑談に付き合うことは、話しかけやすいと生徒が認識し、情報をくれるきっかけにもなります。


5.頼る


きちんとギブができたら最後はその生徒を頼るだけです。人間頼られたら嬉しいものです。
それが信頼関係のある教師であれば、喜んで情報を提供してくれるでしょう。(たぶん・・・)
生徒は頼られる経験が少ないので。

そのときには「誰がやったかわからなくて困っている」と正直に言いましょう。本心で語るってすごく大事なんです。
生徒からテイクがあったら、今度はまたギブをしていきましょう。(テイクがなくても、ギブはし続ける)

そうして、困ったときには情報源として聞く生徒ができるわけです。
そのうち、生徒も「困ったら私の番」と助けてくれるようにもなります。

いい循環ができてくると、クラスで問題が起こると、自然と担任に情報が集まるようになります。
しまいには、問題が起これば指導されるのがわかっているので、問題自体も起きなくなるようになります。


まとめ


生徒との信頼関係があれば、実は誰でも情報源にはなりうります。
大事なのは、生徒との関係を作れたかどうか、だけなんです。

そのために、計画的に・・・というと打算的ですが、予防的生徒指導の観点で考えて行く必要があるわけです。
あるクラスでは情報が集まり、あるクラスでは全然集まらないのはこのためです。