第250話 懇談会での危険信号 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第250話 懇談会での危険信号

『あの、先生』
「なんでしょう」と秦は答えた。月曜日の参観授業の後の懇談会の席上だった。

『子どもが学級が面白くないっていってますが、どうなんでしょうか?』
秦は発言した保護者を一瞬睨みつける。
その保護者は文句を言いにきました風な表情だった。



「まだ入学したばかりで戸惑っているんじゃないでしょうか。そのうち楽しくなりますよ」
当然ながらそれで終わるわけがない
『子どもが家で言うですよ。先生がいつも「私に恥をかかせるな」とか「学校来る意味ないんじゃ」とか言ってるって。実際、そういうことを言っているんですか』

秦はムカムカと腹がたったが我慢した。
「少なくとも、お宅のお子さんには言ってませんよ。問題を起こす生徒がいるから、言ったかもしれませんよ」
『でも、言い方があるんじゃないんですか』

「それなら問題行動を起こさなかったらいいじゃないですか。こっちは指導しているんですよ」
こんな答えでは保護者も納得しない。別の保護者が発言した

『家で聞いたのは、先生に秘密にしてと言ったのに、先生がそれを勝手にばらしたとか。その子はとても困った状況になったとか』
それはいま問題になっている猿田のことか。
この発言は波紋を呼び、うちでも聞いたと複数の声が上がった
『だから、先生に何も相談できないって、子どもが不安がってます』



(こいつら・・・)怒りが爆発しそうな秦だったが、それでも我慢した。去年はこれで大きく失敗したのだった。傲慢な秦でも反省はある。
「ですから、それはきちんと指導していますし、もう口を滑らせませんよ。あれはただのミスですから」怒りを爆発させない代わりに不機嫌そうに言った。
保護者はそれで安心するどころか、隣同士のおしゃべりがますます活発になった。

秦の振る舞いは家で相当話題にされたおり、保護者が問題意識をもっている証拠だった。

『先生、生徒は見てますから、きちんとお願いしますね』
(何がお願いだ、警告しているつもりか!)は思いつつも「がんばります!」と不機嫌そうに皮肉を込めて言った


小学校から学級崩壊して来た保護者は中学校に期待していたが、それは本日で失望に変わるのだった。
最初に発言した保護者と数名が、帰りに校長室によって帰っていった。

※ 指導のポイント


(1)子どもは広告塔

保護者が担任に反感をもっている時には、高い確率でその生徒も反感を持っている。
というのも、生徒が家で担任の悪口を言うからである。
保護者も「そんなことない」と否定するものの、続けばそれを信じるようになる。

この構図を知っておかないといけない。参観日などは保護者がそうしたチェックに来ている場合もある。
つまりは、生徒を大事にしておけば問題はないのである

次回 → 第251話 対応