第255話 にっちもさっちも | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第255話 にっちもさっちも

黒井、近場、沢井による猿田への嫌がらせの指導は座礁しかけていた。
秦が保護者にキレたことで、保護者が秦に不信感を抱き、子どもに「担任は頭がおかしいい」と家で言っているようだった。
ただでさえ、非行の毛があるにも関わらず、保護者公認ともなれば子どもの行動はエスカレートする。

そんな状況であるので、本人たちが謝罪しないというのは当たり前だった。



この謝罪に関して、沢井は親が謝っておけといったのもあり、猿田本人に直接謝ったようだった。
しかしながら「悪かったの!」と上から目線で反省の色も見えなかったのだ、猿田本人は釈然としていない。
ここに「先生たちがいる前できちんとやらないとだめ」と言ったが、本人は「もう謝ったし、猿田もいいっていったし」と言って譲らない。
猿田本人はいいとも言ってないし、力関係では沢井が上であるので、いいようにできるわけである。

ここをもう一度、きちんとした形にするためには、沢井母ともう一度バトルになると予想される。
きちんとした謝罪はないし、事態が動かない。


おまけに、秦は「そこまで言うんなら、あとは勝手にやったらいいじゃん!」とさじを投げてしまった。
もうお手上げである。



有田と赤井にしても、担任ではないので主導権を握って指導するのは難しい。
生徒からして見ると「何であんたらなの?」ってことになる。


そうなるとやるべきことは、校長、教頭の管理職への報告である。
その結果、どうであるか・・・

「話してみたんだけど、難しいのう」で終わりである。
もともとは事なかれ主義できた校長である。
基本的にどこの校長も、教員に嫌われると仕事がうまく回らなくなるので、厳しいことはあまり言わない。

教員が基本は努力屋が多いのもある。
言ってだめ、やる能力のない教員をクビにする権限もないので、放置するしかない。


「なんかまあ、うまくいかんもんかのう。まあ、なんとかしてみてや」
校長も困っているので、逃げに走る。


その結果として・・・「秦先生のことは放っておこう」という結論に達するのだった。
秦自身が言うことを聞かない、助けて、教えてと言えないのだから仕方がない。
赤井と有田もなんとかしたいのだが、誰もなんとかしようとしないのだから、仕方がなかった。

次回 → 第256話 荻原の再生への第一歩~面談