第256話 荻原の再生への第一歩~面談 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第256話 荻原の再生への第一歩~面談

ここで荻原にバトンタッチし、時間は第236話 ありえない衝撃と荻原の決断の後へ。
始業式から3日目である。

前年度から授業が崩壊しており、当然、担任になってもうまくいかず、3日目にしてピンチである。
方や、島田は3年生をうまく動かしており、荻原は島田に弟子入りをする決意をした



『もうね、何をやっていいのか、全然わからない。3年生はびしっと動いていたけど、どうやったんかね?』
荻原が島田に尋ねる。
島田は学級でのことを説明する。

『へえぇ~岡本が・・・』
荻原は岡本うまくいっていなかった分、感慨深そうだった。
「先生はどうしてうまくいってないんですか?」
荻原はこの3日間のことを説明した。

「先生、どこまで本気なんですか?」話を聞き終わると島田が聞いた。
『どこまでって?』

「アドバイスはさせてもらってもいいんですけど。去年、佐々木先生に言ってましたけど、最後はああなりましたよね」
職員室で佐々木が島田にキレた一件のことだ。
『いや、本気よ。というのも、もう耐えられんし、今の状態から良くなるって思えんもん。先生のやり方でやったみたいんよ。それにね、誰もどうやっていいかを教えたくれんから』

そう。一番の問題はここにあった。誰も助けてはくれないのだ。土井も河野も文句しか言わなかった。


「じゃあ、先生はまず問題行動のある生徒と1対1で話をするところから、始めたらどうですかね。というのも、彼らもちゃんとしたい気持ちはあるんですよ。だけど、集団になると制御が効かなくなるんです。だから、1対1でつながりを作っていけば、勢力も小さくなると思いますよ」



『今ね、困っとるわけよ。でさ、向井はどうしたいんかね?』
翌日の放課後、荻原は向井と話をしていた。
「いや・・・まあ・・・別に・・・何かしたいわけじゃないです」

こうやって1対1で話すと妙に落ち着いている。
『急にキレたりするじゃん。あの原因は何なんかね?』
「いやー、、、別に怒りたいわけじゃないけど、先生が話を聞いてくれんかったり、怒り返してくるから、ついカッとなってやってしまいます」

島田が言ったとおり、向井は興奮するとダメなようだった。こちらが冷静に話をすると、ちゃんとコミュニケーションが取れる。
驚きだった。
『じゃあ、冷静になって、向井の話を聞いたらいいんだね』
「うん、だと思います。先生のやり方がたまに、「えっ?」って思うんですよ」

『そうか、わかった。おれがいけんかったね。向井が嫌いだから、ああやっているんじゃないんよ。話が聞けてないのがいけんかった』
荻原は島田から指示されたとおりにした。
つまり、生徒を責めず、生徒に理解を示し、その原因を突き止め、改善すると約束する。

これだけで、生徒は理解してもらえた、話を聞いてもらったと安心感が得られる。

『おれもがんばるから、向井もキレないようにがんばってみようや』
「はい、がんばります」
向井の顔は明るかった

※ 指導のポイント


(1)うまくいかないなら、生徒の話を聞け

生徒たちとうまくいかない時には、集団に対して指導ではなく、個別に話をすることでずいぶんと違ってくる
生徒は集団だからこそ、責任感がなくなり、悪質にもなる。
1対1で話すときには

生徒の思いと教師の思いのすり合わせをしよう。
その結果、思わぬ原因がわかったり、お互いの理解が深まったりする。
やってみて損のないやり方である。

次回 → 第257話 ちゃんとやっている生徒だけを評価しよう