第257話 ちゃんとやっている生徒だけを評価しよう | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第257話 ちゃんとやっている生徒だけを評価しよう

『もうさ、ぶっちゃけて言っちゃうと・・・どうにもならんのんじゃないかと思うんよね』荻原が島田に話していた。
『というのも、もう何かする度に生徒が勝手に騒ぐし、指示は聞かない、指導しても効果はない。完全に舐められとる状態なんよ。生徒は去年からの延長気分。こんな状況なのに、学年の先生は文句だけ言って何もしてくれない。もうさ、だめでしょ。』
荻原の表情は暗い。



島田はしばらく考えてから喋り始めた。
「でも、全員が全員不真面目でもないわけですよね? 先生の話を聞いていると、問題行動がある生徒ばかりかまって、ちゃんとやっている生徒のことは無視してますよね」
『いやいやいや、、、ちゃんとやってるし』荻原は慌てて否定した。

「じゃあ、具体的に何をしています?」
『・・・いや・・・いろいろですよ』

「先生、具体的に言えないってことは何もやっていないと同じですよ。ちゃんとやっている生徒は、「不真面目にやっている生徒ばかりかまわれてずるい」とか「ちゃんとやっているのに認めてくれない」とか、不満をもっていると思いますよ」
『まさか。だって、そいつらは真面目だから、不満とかもたんでしょ』

これを聞いて島田は心の中で大きくため息をついた。
「先生・・・真面目な生徒はロボットじゃないんですよ。彼らも同じ人間で感情を持ってます。自分のことを認められなかったら、嫌な気持ちになりますよ。岡本がぐれたのも、そうやって考えたからじゃないですか?」

荻原は岡本の名前を聞いてギクリとしてようやく
『・・・確かに・・・。言われてみればそうかもしれない。嫌だもんな』と理解を示した。

「きついこといいますけど、先生はそうやって、真面目な生徒を冷遇して、不真面目な生徒ばかりに時間をさいて、おまけにそのやり方がまずくて効果がなかったんでしょう。」
荻原はずばりと言われてショックだった。だが、現状がどうしようもなくダメだからこそ、この言葉をなんとか受け止めることができたし、納得もした。
もしも、普通の状態なら、間違いなく否定してスルーしただろう。



「何をやっても効果がないんでしたら、まじめにやっている生徒のことだけかまってみたらどうですか?」
『えっ!!?? それって問題じゃありませんか?』

「でも、今は真面目な生徒のことは無視しているわけですし、何やっても効果ないんだったら試して見ればいいじゃないですか。どうせなら」
(他人のクラスだからって、めちゃくちゃなこと言うな・・・)と荻原は感じていたが(確かに、逆の発想はありかもしれない)と感じていた。

『で、どうやったらいいんです?』
「例えば、朝読書の時にうるさかったら、いつもは「ちゃんと読めや!」って言ってイタチごっこが始まるわけですよね。なら、ちゃんとやっている生徒に声をかけるんですよ。「君たちはえらいね」とかなんとか言って。この辺のフレーズは自分で考えてくださいよ。
とにかく、ちゃんとやっている生徒を肯定的にほめてほめまくる。不真面目はまともに相手にしないとか」

『え・・・それってうまくいきますか?」
荻原はどこまでも懐疑的だ。
「うまくいく保障よりもやってみるかですよ。ぼくは意識的にちゃんとやっている生徒をほめてますよ」

『う~~ん』荻原は考えこんだ
次回 → 第258話 朝読書で声のかけ方を変えてみる