第260話 給食指導・改 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第260話 給食指導・改

島田の教えの中で驚くのは、とにかく何でもうまくシステム化されていることだった。
効率的である。自分がやるのより、労力が半分以下で済むのではないか・・・そんな現実をつきつけられた気がした。
(俺は古くて遅いパソコンを一所懸命使った時間だけを浪費していたんじゃないだろうか・・・)



懸案事項は今日から始まる給食指導だった。
何と言っても、問題児の荒川と五木がいた。
その分、リーダー格の小川がいて、なんとかならないかと当てにしていた。

とにかく、島田の教えに従ってやることにした。


「給食時間になったら、速攻で教室に上がること!!」島田にきつく言われていた。
「学級が安定しない時期は、教師がいない時間に問題が起きる。給食があればなおさら!」と

普段なら5分くらい経ってからのろのろいくのだが、今日はすぐに行った。

「まずは給食着の確認と役割分担の確認をすること!」
言われたとおりにした。島田からもらっていた分担表が効果てきめんだった。
残念ながら、荒川が一式忘れていた。




(やっぱりか)

荒川がつぎ分けるおかずの量が、極端に多かったり、少なかったりしている。
荒川や五木の席のおかずの器は山盛りだった。
自分の好き嫌いで、量を勝手に変えていた。

「たぶん、荒川か、五木かは自分たちの都合のいいように給食の量を変えるでしょうね」
島田は予言していた。去年は佐々木のクラスでは横行していたらしい。そういう荻原のクラスでも横行していた。
学級崩壊はこういう部分によく出るものだ。


(やるしかないぞ! やるぞ!!)荻原は気合を入れた。

『荒川、おかずの量は一定にせにゃいけんぞ』
「いや、一定だし。そんなんたまたまだし」

『この少ないのもたまたまで、荒川や五木の席にはたまたま山盛りがおかれてあるってことかな。たまたまなら交換してもいいよな?』
「はっ!? 何言っとん!? 置いてあるやつはいじるなや!!」

『お前さ、たまたまじゃなくて、わざとやっただろ。明らかにおかしいで』
「は、こいつ意味わからんし! 何言っとんか! やる気なくすわ!!」

いつもならこの辺で譲歩してご機嫌を取るのだが、島田の指示は違った。

『なら、もうやるな。そんなにいい加減にしかできんのんなら、やらんでいい。あっちで見とけ』
さらに追い込めと。

荒川は荻原のことを下に見ている。この言い方は当然、納得がいかない。
「じゃあ、せんわ。お前がいったんじゃけな!!」と怒りながら、去っていった。
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