第261話 給食指導・改2 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第261話 給食指導・改2

荒川が去っていった。
驚くことに、こうした展開は島田が予想した通りだった。

そして、次にやることは荒川と五木のおかずを一気に減らすことだった。
これも島田の指示で「とことんやれ」とのこと。

荻原は肝が冷える思いだったが、「去年担任しているから、問題が起きたら、なんとでもしますから」の言葉に勇気づけられて実行した。



荻原が自分の給食を減らしているのを五木は目でおいながらも何も言えなかった。
荻原の逆鱗に触れて、「出てけ!」と荒川のように言われるのを恐れていた。

五木からすると、自分勝手にやりたいのだが、自分が主犯になるのは嫌だった
だから、いつも誰かが問題を起こすのに便乗して悪乗りをする。
荒川がいないここでやるのはリスキーだと判断した。

五木は要は小物だった。どちらにでもなびく日和見主義者だった。
誰かを叱りつけるのを見せると、それを見た生徒は「ああはなりたくない」と学習する。
荻原が荒川をやっつけたのは効果抜群だった。

気の弱い荻原はびびっていたが、(バックには島田先生がいるから・・・)と思っていた。
自分一人では絶対できない指導方法だった。



「はっ!? なんやこれ!?」荒川が自分の給食の量を見て声をあげ、給食の器を持ったまま前にやってくる。
残りから増やそうとするのを荻原が止めた。
「おい、邪魔すんなや!! このデブが!!」

さっきの扱いから荒川は荻原にキレていた。
教室が静かになる。
『給食当番の仕事もせん! おまけに、たまたま配られたのが少ないからと勝手に増やす。やり方がおかしいじゃん!』
荻原も負けじと大きな声で応戦する。

島田は「徹底的にやっつけたほうがいい」と言っていた。プライドの高い荒川はキレると判断していた。
というのも、ここまで荻原が応戦することはなかったからだ。
荒川は内心はとまどいも覚えていることだろう。

荻原が今朝から不思議な言動をしているのも加え、徹底抗戦しているのも初めて見せるわけで、それがいつもなら参戦する生徒を躊躇させ、見ているモードにしていた。

「どけやデブ!!」と睨んでくる
『だめなもんはだめに決まっとるだろうが! そんなこともわからんのか!!』

荒川はおかずの器を配膳台に思いっきり叩きつける。おかずが派手に飛び散る。
荒川は教室のドアの方に歩いて行った。
『おい、どこにいくんや!』

「保健室!!」
『給食食べていけ!!』
「いるか!!」と出て行った。

次回 → 第262話 給食指導・改3