生徒と対立せずに指導していくためにはどうしたらいいでしょうか? | t-labo(中学校教師の支援サイト)

生徒と対立せずに指導していくためにはどうしたらいいでしょうか?

みなさん、こんにちは。tetraです。

今回の質問は、

生徒と対立せずに指導していくという言葉が心に残りましたし、共感できました。
しかしながらあえて授業中などさまざまな場面で対立を目的として言動する生徒への対応はどうすればよいでしょうか?(あえてしてはいけないこと。ルール違反を繰り返すなど)信頼関係を築けるまでが難しく横着な物言いでコミュニケーションをしつこくとることも逆効果になっています。


ということです。

話は脱線しますが、最近・・・・なんだか感じるのは、ここで書いていることに関して、「生徒に迎合している」「生徒の意見なんて聞いていたら指導なんてできない」「ぬるい指導は荒れた学校では通じない」とか、コメントでいただくことがあるのですが、何か勘違いされているような気がします。

この違和感は「生徒の話を聞く、生徒のことを考える、生徒のために」という立場で指導することが、必要な指導をしてはいけない、と捉えられているのかと思うんです。

生徒の立場を尊重して指導する時に、言いたいことはきちんと言いますし、それは絶対に必要です。


声を大にして言いたいです。
それと、荒れた中学校でも通じる方法論だと考えています。
今回はこのことに絡めて書きます。



1.生徒の行動原因を探る

まず、一番の前提が違う方が多いなと思うんです。

生徒は教師に嫌がらせをしたいから、問題行動をしているのではありません。
GTOはただのマンガです。そんなことありません。

多くの教師が「嫌がらせ」と捉えるからこそ、問題の根底を見逃し、解決を困難にしています。

生徒の行動には理由があります。この原因を考えないと解決しません。

例えば、生徒が手を挙げていたのに「当ててくれない。ひいきだ!」と恨みに思って、問題行動を起こした生徒に対して、教師が「わがままばかりするな!」と頭ごなしに指導をしたら、生徒は「ほら、ひいきだ!」と感じ、ますます恨みを深くするでしょう。
そうして、ねじれた関係がそのまま続くと、教師は「あの生徒は嫌がらせをやってくる!人間としてだめなやつだ」と思うわけですね。


もしも、最初に、「どうした? なにかあるのか?」と聞いたならば、生徒は「あいつばっか当たってひいきだ!」というかもしれません。
そうしたら、問題は解決したようなもの。

絶対に原因はある。単純に嫌がらせをしたいだけの生徒なんていない。
ただ、その原因が家庭にあったり、小学校にあったりして八つ当たりしているだけという可能性もあったり、とてもねじれていて解きほぐすのに時間がかかることはあります。

まずは、この原因を探しましょう。



2.対立したがる生徒に対して

こちらが生徒理解をしようと心がけていても、生徒が対立してくることはあります。
だからといって、教師(大人)がそうやすやすとしてしまうと、生徒に問題行動を繰り返す「言い訳」を与えてしまいます。


授業中に問題行動を起こす場合の多くは、「授業が理解できずにつまらない」「もともと、じっとしていられない」「自分が大事にされている気がしない」のどれかでしょう。
だから、その場合は、その解消に務めるとうまくいくことは多いです。

授業が理解できない生徒には、「ノートをきちんと書いて偉いな」「取り組みは花丸だな」とか。
じっとしていられない生徒には、「声や音を出したらだめだけど、多少話を聞いていなくても大目に見るから」とか。
大事にされていない気がする生徒には、「机間指導の時に話しかける」とか。




その生徒に対して「大事にしている」というメッセージとともに、本人が理解することが必要です。
人は相手に大事にされていると感じるときには、相手を大事にします。
それがなく対立を選ぶということは、教師から大事にされていないと感じていないのだと思います。

「おれはこんなに生徒に大事にしているんだぞ!何を偉そうに書いている!!」そう言いたい気持ちもわかりますが、相手に通じなかったら意味ないです。ここです。

教師なんて口先ばっかりの人間が多くて、実際に行動に伴う人が少ないものです。
だから、生徒が言うことを聞かない、反発するなどの問題が多発します。

言動の一致、していますか??



3.共感と指導

生徒指導の基本は、共感すること、ここにあると思います。
生徒が問題行動を起こした理由を理解して共感してあげるわけです。

「あいつが悪口を言ったからムカついて殴った!」と生徒が言うなら、たしかに自分も悪口を言われたら腹が立つわけですよ。
だから、「それは腹が立つな。自分が言われても腹が立つよ」と言ってあげる。
なのに、指導が下手な人は開口一番「そうやって暴力なんて振るのがおかしい!」と指導したがるわけですね。



きっと、この部分に関して、「生徒が悪いことをしたのに、tetraは共感なんてして、指導しないのか。だめなやつ。生徒のご機嫌取っているだけじゃないか」って思われるんでしょう。

でも、どれも文章はそれで終わっていないはずです。



で、その後に「でもな、腹が立ったからと言って相手を殴ったらいけないよ。この部分に関しては君が悪い」となるわけですし、「殴った部分に関しては責任を取らないといけない」と言う訳です。

それと誤解があるなと感じるのは、こうした指導に批判的な方はガンガン指導をして生徒に恐怖心を与えなければいけないと考えているのではないかということ。
つまり、生徒のことを責め立てて泣かせないのは、「ぬるい指導」であると。

指導ってね、厳しいとか、ぬるいとかいろいろ言いますけども、生徒に責任を取らせない指導がぬるいのです。
教師がガンガンやるのは、生徒への人権侵害の恐れもあるし、教師の自己満足的部分が多いでしょう。(まあ、むしろ、ストレス発散でやっている可能性すらあります)


ですから、生徒が問題を理解しない、責任を取ろうとしないときには、たしかに指導のレベルは上げます。
ただ、最初の段階では、「事情を聞く」 → 「生徒に問題の理解と責任の取り方を言う」 → 理解しなければ次の段階へ

という構図だと思うんです。
なのに、ぬるい指導と批判する人は、「ガンガン責め立てる」以上 と考えているような気がします。


学校で起こる問題は、「責任を取る」「被害者が納得する」「今後起こらない」という点があれば指導は完了でしょう
ガンガン責め立てて生徒指導をするときに、この3要素が満たされるかどうか。
生徒に恨みを持たれる気がします。




生徒指導にはゴールがあるわけですから、そのゴールに対しては対立する道はリスキーだと思います。
北風と太陽の寓話ですね。

ですので、対立せず、共感してやっていく、そうすると加害生徒自身も「先生がそう言うなら」と勇気づけられて、きちんとした後始末ができるのだと思います。




4.コミュニケーション

いつも、問題がある生徒とはコミュニケーションを取りましょう、と書いています。
で、送られてくるのは「しつこくすると嫌われますから、あなたの主張は間違っていますよ!」と。

一目惚れした相手にガンガンアプローチしたら、そりゃ嫌われるし、場合によっては「この人、ストーカー?」ってなりますよね?



相手を口説くためにはどうしたらいいかって、普通考えますよね。生徒相手もしかり。
コミュニケーションは大事だけど、しつこくしたらだめって当然です・・・。それは批判されても、自分でわきまえてくださいな・・・。
と、驚いているわけです。。。




どのタイミングでコミュニケーションしたらいいのかを考えましょう。
自分だったらどういうタイミングで話しかけられたら嬉しいか


となると、例えば「生徒がいいことをした時」「困っている時」「わからない時」「暇している時」などはいいと思います。
ただ、それほど仲が良くないのに「相手がご機嫌斜め」なのに話しかけるのは得策ではありません。
「おはよう!」と挨拶をするくらいですよ。

それなのに、「おい、無視か。挨拶しようぜ」と馴れ馴れしくすると『はっ!? 黙れや!』と反発をされてしまいます。
生徒はご機嫌が悪くても、挨拶など一言ぐらいはオッケーですし、むしろ、そのくらいしてくれる方が嬉しいわけです。
無視されていると感じるよりよっぽど。

しつこくしないとは、相手が乗り気でないのに、ガンガン追い打ちをかけるなということ。
そうやるよりも、ただ毎日ひたすらに挨拶をするだけの方が効果があります。
これも、コミュニケーションと考えましょう。そうすると、かなりの数を稼げますよね。


そうやって、毎日挨拶をしていると、生徒がご機嫌なときには「おはよう」と返してくれる時があり、そのときこそ「今日は顔色がいいね」とか適当に会話をすればいいわけですね。
そうやって積み上げていくもので、教師はすぐに結果を求めるからだめなんです。

そうして、「コミュニケーションを取ったのに、うまくいかない。こいつの言うことは間違っている。通用しない!」となっている気がします。
ちゃんとしたやり方をすると、効果はついてくるものだと思いますよ。



まとめ

すいません、脱線ばかりで。
ちょっと前から、書いている趣旨とはずいぶん違う取られをされている方が多いなと感じるので、誤解されやすい部分を強調してみました。
ここで書いているから、愚直にやるのはいいのですが、「どうすれば効果的か」「自分なら嫌じゃないか」を最低でも考えてからやってくださいね。

で、今回の質問の件ですが、

対立したがる生徒の理由を探ってみましょう。
担任や他の教師からの情報を集めてみましょう。糸口が見つけられるかもしれません。
(ぼくはたいていこの場合、本人に何が不満か、ぼく自身が悪いことをしたのかと聞くことが多いですね)


対立が起こる場合には、教師が生徒のことを大事にできていないと生徒が感じている事が多々ありますので、普段の言動を振り返って、言動を変えてみましょう。
それでも、うまくいかないときには地道に関係を積み上げていくしかありません。

教師の行いが良い場合には、その生徒からの支持はなくても、他の生徒からの支持が集まりますから、その生徒も「なんか支持しないといけない空気だわ」となってくることもあります。(外堀を埋めるというやつですね)


という感じでしょうか。
対立の原因がわかるまでは、対処は難しいかもしれません。