第267話 保健室の事情2 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第267話 保健室の事情2

保健室は都合のいい待避所ではない。だが、神無中の保健室はそうなっていた。
ただ待避所と言っても、生徒は保健室で大人しくしているわけではない。

友達がいれば元気にしゃべりまくるし、1日1時間だけの約束であるにもかかわらず、「気分が悪いからまだいたい」と駄々をこねる生徒も多かった。



河野は教員に対しては毒づくものの、生徒には大きな指導力はなかった。
というのも、生徒指導をしたり、授業をしたりしないからだ。
指導というものに対しては、素人同然であり、うまく生徒を動かせない。

結果的に、保健室が騒がしくなり、生徒が長居するようになり、保健室利用の生徒がきちんと使えないなど、問題化していた。
河野も現状を放置しているわけではなく、なんとかしようと働きかけているものの、担任からの動きは一切なかった。

例外といえば、平川と島田の2人だった。
2人は3年生の生徒が保健室に来たと知れば、必ず保健室に顔が出してくれるし、保護者連絡の必要がある時には迅速に動いてくれた。
また、教室に上がる際には、たむろしている生徒に声をかけて教室にあげてくれるなど、動いてもくれていた。

2人が3年生の担任になってから、3年生の保健室利用者が一気に激減した。
こうした動きのほかに、学級が落ち着いているのが何よりも大きい。



(学級の面倒が見れない人が、保健室の生徒まで気を使うことはできんよね・・・)
担任のことを軽蔑しながら、山本の対応をする。

『まじ、あのデブ、おかしいけえ』
山本のずっと文句を言い続ける。
「でも、あんたも悪かったんでしょ?」
『いや、あいつじゃし。マジむかつくし』

という感じの話が続き、そうした生徒が昼休憩になるとわらわらやってくるのだった。
山本は結局、授業が面倒なのもあり、5時間目の授業を休んだ。


そして、夕方過ぎに電話が鳴るのだった。
電話の主は山本母だった。
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