第271話 保護者対応の極意とは | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第271話 保護者対応の極意とは

「ちなみに、どんなやり取りになっていたんですか?」島田が荻原に尋ねた。
荻原はやり取りの一部始終を説明した。

それを聞いた島田は「それはまずいですね」と言った。



『いやあ~~、どうしようもなかったんですよ』と荻原は頭をかく。
「そもそも、話し合いの目的は何だったんですか?」

『目的ですか? いやあ~~山本母の出方を見て、クレーム対応かなって』
「そのクレーム対応って具体的には何をすることなんですか?」

こうやって事細かに聞かれると弱るのだが。
『そりゃ、相手の話に傾聴して、納得してもらえることですよ』
「その結果として、山本にきちんと謝罪することに落ち着いたと?」

『・・・まあ・・・結果だけ見たら、そうなりますよね』
「でも、そうするっていったんですよね」

『うん、まあ』
「それって合意ですよね。結論が出たことになりますよね」

『いや、先生の言いたいこともわかりますよ。まずいっていいたいんでしょ? でも、すべてがうまくいくとは限らないわけじゃないですか』
「でも、先生は自分の指導が間違っていたとは思ってないわけでしょ? そうやってその場しのぎで謝罪していたら、何もできなくなりますよ?」



荻原は反論せずに黙りこんだ。
島田の言いたいことはよくわかっていたし、謝罪するのはおかしい。

「まず、結論ありきで考えていないとだめですよ。
指導は悪くなかったし、悪いのは山本ですよ。もしも、謝るとしたら、山本が怒らせたまま帰らせてしまい、山本母に迷惑をかけたことでしょうね。
母には指導への理解と強力をお願いするべきですから、落とし所をここに設定します」

『でも、給食を取り上げるのはおかしいってすごい剣幕で言われたんですよ?』
「なら、山本母に言いたいだけ言わせたらいいんじゃないですかね?」

『反論しなくていいんですか?』
「ああやって、学校に来たがる人って単純に話を聞いて欲しいと思っていることが多いですからね。それに話すだけ話したらスッキリするみたいですし。その後にこっちの話をしたらいいんじゃないんですかね。
相手が落ち着いた時じゃないと、話も入らないですし」

『なるほど! そう言われてみれば!』
次回 → 第272話 保護者との関係の築き方