第276話 3点セットの指導 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第276話 3点セットの指導

荻原はようやく島田の言葉に理解を見せ始めた。
学校現場では、問題を起こす人(力がない人)に限って、話がなかなか通じない人が多い。
自分ができていると錯覚しているか、自分の現状を受け入れたくないからだ。

それをわかってもらうためには、強力なダメ出しが必要になり、大抵の人がやらない。
だから、問題のある教師は放置され、問題も解決されない。
島田にとっても、やりたくないことだった。リスクのほうが圧倒的に高い。



『俺がだめなのはわかった。で、どうしらたいいわけ?』
荻原はちょっと不機嫌になっていた。それもそうだよなと思いながらも、島田は答える。

「先生が審判で、サッカーで選手が手を使っていたらどうします?」
『そりゃ、反則を取るよ』

「でも、選手がプレーをやめずにそのまま続けたら?」
『笛をもっとならすとか、強制的に止めるとかするよ』

「ですよね。ちなみに、試合前にその選手がサッカー中に手を使うことがわかっていたら、どうしますか?」
『そりゃ、試合の前に注意しておくよ』

「それを学級でもやるんですよ」




「やってはいけないことは、事前にやってはいけないよと生徒に明確に伝えておきます。
それでもやった場合は、それをやめるまでしつこく警告なり、指導なりを続けるんです。
そして、また同じことをやらないように、こういうことはしてはいけませんって生徒に言うんです。」

『はあはあ、なるほど。』
「先生の場合、どれもできてなかったんじゃないですかね。」
島田は思い切ってズバッと言った。

『・・・かもしれんね・・・』荻原は言葉少なめだ。

「いろんな学級を見てみると、上手くいっている学級ほどこの3点セットが機能してますよ。
生徒の心が育たない学級は、問題が起きた時の指導だけですね。予防しようとか、指導を活かそうとした考えがなくて場当たり的です。
ですので、生徒も場当たり的な対応しかしません。

学級としてうまく機能させ、成長させるためには、最初のやってはいけないよと指導後の対処です」
次回 → 第277話 事前指導と哲学