第297話 グサッと思い当たる | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第297話 グサッと思い当たる

『人間関係は、人から作れって言われて作るようなものじゃないですからね。その相手に対して真摯に興味をもつことからですよ』
そうなのだ、生徒に興味を持てていなかった。むしろ、憎しみなら持っている。

「あんなめちゃくちゃする生徒に興味なんて持てる??悪いけど持てない。」と荻原。
『子どものやることだと思えばそのうち持てるんじゃないですか? こっちは大人、向こうは子ども。同じ土俵にいるわけじゃないんだから、そんなにムキになっても仕方ないですよ』と島田。



「たしかに。まあ、そうだけど。そんなこといったら、同じ大人でも大人げない人はたくさんいるし」
『河野先生とか、土井先生ですか?』
荻原はギクッとした。

そう、何が起きても協力をしようとしない役立たずの2人だった。

『河野先生と人間関係はできていますか?』
「あんな人とできるわけないじゃん。あんなダメな人と」

『河野先生とは生徒指導部で同じですが、いい人ですよ』
意外な言葉だった。

『河野先生の趣味とか、関心事とか、休みの日に何をするとか、知っていますか?』
「そんなん知るわけ無いじゃん。興味なんてないし」




『だから、人間関係できないんでしょ。相手のことを知ろうとしないから』
「あっちだったそうでしょう。そもそも、あっちから嫌っているんだから」

『最初がどうだったから知りませんが、河野先生からアドバイスを受けたことがあるんじゃないですか?そのときはどうしましたか?』
学年始まった時には、あれこれと注文を受けたことを思い出した。そして自分は・・・
「無理な要求ばかりしてくるから、結果的には無視したよ。自分ではやらないくせに、口だけだしてきて偉そうにしてやがる。いちいち腹が立つ」

『それって担任として自分がやらないといけないことだったんじゃないですか? 職務が違うのでやれることとやれないことありますし。ただ、普段からいい人間関係を作ろうとしていないと、アドバイスもしづらいし、聞く耳持たない相手には言うことは言うだけになっているかもしれませんね』
島田は、毎回痛いところを突いてくる。


『どっちが先とかじゃなくて、自分からいい関係を作ろうとしないと人間関係なんてできませんよ。
生徒に対してもそうじゃないですか?
向こうから来るのを待ってたら、一生そんな時は来ませんよ』

島田の言うとおりだった。自分からいい人間関係を作ろうと努力なんてしてなかった。