第299話 さあ、給食を完食しよう! | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第299話 さあ、給食を完食しよう!

中村への謝罪も終わった。
島田の力は偉大であり、その人間関係力というのは絶大だ。
荻原にとっては、生徒が差別しているようにしか思えなかったが。

学校というのは年がら年中いろんなことをやっていて落ち着く暇がない。
今日から、全県的取り組みとして給食を完食しよう週間が始まった。



なんと2週間も続き、毎回残食率を計算して報告をするそうだ。
給食の意義やら、残さずに食べると勉学にいいとかな、いろいろあるようだが、

「そんなん無理」

と頭から否定してきた荻原。

保健委員がそわそわして何やら言っていたがどうでもよかった。
「あのご飯の量を食べられるわけないし、自分が何か言えば、それをチャンスと見て問題を起こすに決まっている。だから何もしないのが一番」
荻原は傍観者となった。

そのおかげもあったか、2年1組は完食から縁遠いクラスとなった。
それで済むわけもなく、生徒帰宅後に、河野が荻原に詰め寄ってきた。




「先生、今回の完食週間の取り組みの意味って分かってる?そのためにきちんとやってといったことをやった?」
普段なら、やったと言い訳を言うところだが、、、島田の顔が思い出されて、、、
『、、、、無理だと思ってやってません』

嘘はつかなかった。
給食のご飯なんてありえないほど多い。あれを食べろっておかしいし、そもそもこんな取り組みなんてして意味ない!
心の中で叫ぶ。

河野はため息をついた。
「まあ、、、言い訳を言わないだけいいとするわ。だったら、これ見て」

と河野が出したのは、今日の給食の残食率だった。

『えっ!?』と荻原が驚いたのは、

『3年生はどちらも0%!?』

「そうよ、取組みをやったから。0になった。やったらできるから」
『いやいやいや、、、そんな、、、』

「0にするかしないかじゃないでしょ!保健委員がやろうとしているのに、何も協力しないことが問題なんよ!わかってる!!??」
河野の表情は怒りに満ちていた。
「あんたの好みでやるやらないでしょ? お前は子どもか!! 生徒がやろうとしていることの邪魔してどうするの!?なんでそんなに役に立たないの?
あんた、人の気持ちがどうしてわからないの!?保健委員が委員を辞めたいって今日、言ってた。この気持ちわかる!?」


河野に言われてようやく気がついた。
荻原は自分がやりたくないからと自分のことしか考えてなかった。
それは教師の仕事ではない、ここは職場であり、自分は教師だ。。。

恥ずかしくて情けなてく、保健委員に申し訳ないことをしてしまった。
自分がいつも「きちんとしている」というのは、ただの言い訳で自分勝手な行動でしかなかった。
今回もそうだった。生徒のことではなく、自分のことしか考えていない。。。