第300話 河野の反応 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第300話 河野の反応

河野の声がこだましていた。
荻原は心の底から反省した。穴があったら入りたいとも。

『本当にごめんなさい。そこまで考えられなかったです』
正直に平謝りした。

「そんなだったら、生徒にあやまんなさい!私に謝っても意味ないでしょ!」
島田にも言われた言葉だ。
嫌っていた河野だが、言っていることはまともなのかもしれない。

そんなことが頭を一瞬よぎった。



視線を河野から外すと、「ぺろっと食べちゃうぞ」という文字が見えた。
島田のクラスの完食週間のスローガンだった。
そういえば、このスローガンを決めるときから、もうすでに何もやってなかった。

保健委員はとても困ったに違いない。
ふざけたスローガンと荻原は思ったが、それを決めるときの学級の和気あいあいとした和やかな様子が思い浮かんだ。
きっと、、、島田のクラスは今回の行事を楽しんでやっているのだろう。

意味ないなんて考えずに、みんなで楽しもうとやっているのだろう。
作業ではなく、取り組みなのだ。


「で、どうすんの?」と河野が怒った表情でこれからのことを聞いてくる。

・・・・。

荻原の心の中にいろいろなものが出てきては消えた。



出した答えは・・・・



『自分はどうやったらいいかわからないから、教えて下さい。生徒には悪いことをしたので、なんとかしたいです。』
荻原は頭を精一杯さげた。

それを見た河野は、

「ふん。

・・・・わかった。

だったら、言うからやってよ。

3年生がどんな取り組みをやったかを教えてあげるから」

罵声が飛ぶかと思っていたが、全く違った反応に荻原は戸惑った。
あの河野が親切に教えくれるではないか。

冷徹で、文句いいで、口だけの生意気女だったはずが。。。
河野口調はいつの間にか穏やかなものになっていた。
荻原はメモを取りながら、適宜質問しながら完食週間の対策に取り組んだ。