第303話 優しい反応 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第303話 優しい反応

「おおーーーーすげえ!!」
翌日、給食放送で残食率を聞いて2年1組の生徒たちは声あげていた。

「すごくない?うち、1,2年だけなら1位じゃね?」と甲本。
そして、「今日もたくさん食べるぞ!!」と。
『お前には負けんからな!』と向井。

今日も荻原を始め、男子生徒たちのご飯はてんこ盛りだった。
そして、なぜか配膳は河野が手伝いに来てくれていた。



給食の残食率は保健委員が計りを使って測定していて、残食率をどのくらいを%表示するところまで調べる。
牛乳も対象で、欠席分を除いた分をカウントされる。
各おかずを完食できなくても、残食率が出るので、どのクラスがどういう取り組みをしたかは明らかになる。


今日は、トマトベースの大豆の煮込みスープだった。
この大豆が曲者で、毎回残る定番のメニューだ。


配り切る、男子は多めにするという作戦の元、実行しているわけだが、給食を終えると食缶にはそこそこのスープが返却されていた。
「はああ~~~、なんやこれ!?誰やこんなに残したのは??食べれないなら、最初に残せや!」甲本が憤る。
『ほんまじゃ。ありえん。頭がオカシイやつがたくさんいる!』と向井は怒り、壁を蹴る。

うまくいきかけたところで、、、問題は起こるものだ・・・。
荻原は深い溜息をついた・・・。




暗い気持ちで職員室に帰り、配膳のお礼も兼ねて河野に報告した。
(絶対に怒鳴られる・・・。)そう身構えていたが、
「そうなんよね。そういう問題が起こっているんよね。」口調は至って穏やかだった。

嫌味で文句しか言わない河野からは考えられない反応だった。

「3年生はね、最初の量をうまく調整していたり、生徒の好き好きを給食当番が聞いていたりして加減しているんよね。あとは食べきれないものを生徒間で最初にあげているんよ」
荻原は3年生がやっていることのレベルの高さに驚いた。
(そんなん、、、やれって言っても無理だし・・・ああ、、、来るぞ、無理な注文・・・)


「だから、先生のところだったら、食べれないものは食べる前に、最初に食缶に戻すのを徹底したらいいんじゃないかね? そこの部分を強調して徹底したら、そういう生徒のトラブルも防げると思うし。やっぱり、やってみないとわからないことは多いね」
これまた河野の言葉に驚いた。

(や、、、優しい・・・)

「あ~~~、それと。そうやって残させるのはいいんだけど、苦手なものを残す代わりに、食べられる他のおかずをその分食べるように言わないとだめよ」と。
『わかりました。帰りのSHRでそう言ってみます』