第306話 川島という人間 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第306話 川島という人間

『最悪』と土井は平川に悪態をついた。
河野と川島の口論は、校長室でも行われ30分後に土井も呼ばれることに。

校長は、生徒のこともあり川島に、きちんと取り組みをするように言った。
川島は「生徒がめちゃくちゃなのに、副担である土井や河野が何もしない。同じ学年であるなら口だけ出すのではなくて、手伝うべきだ」と主張した。

土井は「こうして欲しいと言っても全て無視してやってくれない。だから、こんな状況になっている」と言った。
校長は深々と頷いた。

が、川島は同じ主張を繰り返した。



土井からすると、自分は教務主任であり、学校で一番仕事をしているし、土日も学校にきて仕事をしているという自負がある。
だから、一担任業のことで手を取られるのは嫌だった。
担任の仕事だ。

しかし、ここまで言われてもなお、引き下がることはできなかった。

『わかりました。だったら、給食の配膳の手伝いをします。そのかわり、給食当番表を作ってください。学年始まる前からずっと言っているけどやってもらっていません。
荻原先生は当番表を使い始めて、ずいぶんと配膳が改善されました。』
土井は川島を睨んだ。

「わかりました。SHRも来てください」
『だったら、きちんとした指導してくださいね』
土井は半ば焼けだった。売られた喧嘩は買う。




「うっわ・・・最悪。川島くん、終わってる~~。最低~~。クズ。クズ。顔も見たくないわ。
人に物を頼む態度じゃないよね。

私だったら、そんなこと恥ずかしくて言えないわ~~~
だから、生徒に馬鹿にされるのよね」
事の顛末を聞いた平川は、土井に言った。


・・・・・


翌朝のSHR。土井は約束を守って階に上がり、2年生の生徒たちを入れ始めた。
2年生達は土井のことは一目置いているので、大きな反抗はしない。
教室に押し込んだとしても、今度は教室が大騒ぎの大騒動になっただけ。

その様子を見ながらも、土井は教室に入ることまではしなかった。
指導に巻き込まれるのが嫌だったからだ。
川島には心底腹が立っていた。


配膳時間。
2年2組に上がってきた土井だったが、当番表がない。
川島に聞くと『作ってない』とのこと。
「いつ作るのか」と聞けば、『すぐに作るが、今は無理だ』と。

翌朝になっても『まだ作ってない。忙しい』という返事だった。
「約束したことはやってください!」土井は怒った。