第307話 呆れ顔 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第307話 呆れ顔

川島は当然、校長に呼ばれた。
給食当番表を作らなかったからだ。
土井は約束を守っているが、川島は何もしなかった。

校長は優しく穏やかに川島を諭した。



「給食当番表はすぐにできるものだし、作るのが嫌だったら他の先生に貰えばいい。
こうやってね、すぐにできることをしないから、いろんな問題が起きているんじゃないかな」
『忙しいんですよ!こうやって呼ばれている間にも仕事は滞るわけですよ!そもそもなぜ給食当番表なんて作らないといけないんですか!』

「先生、、、それはうまく言ってないからでしょ。ぼくも使っていたよ。
生徒は自分の役割がないと何をしていいか混乱する。使うだけで状況は一気に変わった。
効果は保証する」
『やっても同じですよ。生徒が好き勝手するんですから、何をどうやっても。やることやっているんですから』

「そうやって決めつけて何もしないのが問題じゃないだろうか。
土井先生はこの前の話し合いの後から、2年生の階に上がるようになって、生徒の徘徊は止まったでしょう。
やってみると変わるんですよ」

『あれもおかしいでしょ。私が言っても生徒は動かないくせして、土井先生が言ったら動くとか。
ああやってコロコロと態度を変えるのもおかしい』
さすがに校長も呆れ顔。




「去年もあんなんだっけ??」平川が去年同じ学年で組んでいた隅田に川島のことを聞いた。
『うーーーん、どうかな。まあ、いろいろあったよ。割にまともな学年だったけど。
今年は全く通用してないから、参っているんじゃないかな』と隅田。

「まあね、そももそ今の2年生は去年1年間がまずかったからね。特に佐々木クラスは。」
『ああいうタイプは、自分自分ばっかりだから、生徒の質が悪いとすぐに通用しなくなるね。』
「相当なナルね」ふふっと平川は笑った。

・・・・


給食の当番表はなんとか1組で配布された。土井が平川からもらったものを校長に渡し、校長が川島に使い方を説明し、指示を出したのだった。
土井からすると生徒はかわいい。川島のように自分のことばかり主張するタイプは生徒を不幸にするので大嫌いだった。
であるので、SHRや配膳は手伝うこととし、そのかわりに、校長にあれこれと川島のできていないことを報告し、指導するように頼んだ。

そして、校長はそれを実行した。


土井が怠慢だったと言われればそうかもしれないが、周囲の言うことを聞かず、文句しか言わない川島の問題の方がずっと大きい。
河野が荻原を手伝うのと、土井が川島を手伝うのでは、本人たちの気持ちは180度違う。

そして、そのことに川島が気づいているのだろうか。

人を動かすのは、不平不満の言葉ではないということを。