第308話 人間関係ってのは、、、 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第308話 人間関係ってのは、、、

給食の完食週間も2週目に入った。
3年生は相変わらず完食記録を作り続けていた。

2年1組はご飯こそは完食できないものの、週1回のパンの日は見事に完食できた。
ごはんとパンでは量が全く違うのが大きかった。
とにかく、ご飯が天敵だった。



学級の変化といえば、だいたいは相変わらずだった。
着ベルなんてできず、チャイムが鳴ってなり終わる当たりにだらだら行動したし、授業にはいい加減だったし、掃除だったまともにしなかった。
ただ、違ったのは、荻原が爆発するほどのことはしなかったこと。

給食の取り組みをやっているという一体感があったおかげなのか、生徒も手加減をしたのかもしれない。
荻原の魅力というよりも、給食を団結して食べることで他のクラスに勝ちたいという欲がそうしていたのかもしれない。

その辺の大小関係は不明だが、クラスとしてはいい形だった。


相変わらず、荻原のご飯は山盛りであったが、それは甲本や向井たちも同じで、その共通項があるためか、以前よりも、親近感がわき、少し仲良くなれた気がした。
島田が普段言っている「人間関係」なるものがこうやってできていくのかもしれない。

それは怒ることではなくて、ともに笑い合い、体験を共有することで深まっていく。
だったら、いい学級にするためには・・・生徒同士の体験を共有させることでうまくいくようになるのかもしれない。

それは、、、

もしかしたら、、、、この取り組みの意義なのかもしれない。




「1回はご飯の日に完食しようや」

向井が帰りのSHRで唐突に言った。
向井は今回の給食の取り組みでは、みんなを引っ張るリーダー的な存在だった。

彼の前向きな発言が、そしてひたすらに食べる姿が、ここまでの成果を出してくれたとも言える。
いつもは、彼が率先して担任を批判して、癇癪を起こして物を蹴り飛ばすかかりだったのだが。

『いいねえーーーいつにする』甲本が合いの手を打った。

何人かが給食のメニュー表を開く。授業にあまり興味のない生徒にとって給食は大きな楽しみだった。

結果的には、親子丼の日に決まった。
「よし、その日は朝ご飯抜いてくるわ!」クラスに活気があった。