第310話 取り組みが終わって・・・ | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第310話 取り組みが終わって・・・

給食完食週間の取り組みが終わり、荻原はホッとしていた。
この取り組みは、それ事態で何かが変わるものではないと考えていたが、そうではなかった。

職員室の空気感も変わった気がした。



河野が自分に対して優しくなった。
それに対して川島により厳しくなった気がする。

川島は給食の取り組みでは、土井に無理やり協力せざるを得なくしたが、生徒に食べさせる部分では何もしなかった。
本人曰く「俺はやることはしっかりやったんだ!」と無罪潔白を主張した。

そして、決まりきって

「生徒がちゃんとやらないんだ!」

と言った。
荻原も実は普段からすべて生徒のせいにしてきた。
が、取り組みを終えた今となっては、

「生徒のせいだけではなくて、教師が何もしないとだめなんだよな」

と思えるようになったし、川島が生徒の生徒にする度に「いや、、、そうじゃないよな・・・」と少し違和感を覚えるようにもなった。
少しだけ成功した自分がこういうことを思うのだから、一人前の力がある教員からすると川島の言葉は絶句に値するほどの暴言だろうな。
ちょっと成長したように感じた。




川島の世界の住人でいると、全て悪いのは生徒である。
自分はちゃんとやっている、という前提で悪いのは生徒となる。
その結果として、生徒を管理しようとし、生徒の反発を受け学級は分裂していく。

荻原はその世界から脱却しようとし、河野の協力を得て、「教師がどうにかしよう」とまず動いた。
その動きは完璧と言えるものではないが、努力をしたし、言い訳せずに行動した。
そうすると、生徒の動きも変わった。

対立ではなく協力ができた。


大きな違いだった。こちらの世界のことを知っているか、知らないか、たったそれだけの違いかもしれない。
今回の取り組みで1年生は散々だった。
きっと川島の世界の住人なんだろう

3年の平川や島田はもう1つの世界の住人。
自分は、、、未だ川島の世界の住人だった。

3年団がいる世界を垣間見た今は、どうしてもそちらの世界の住人になりたかった。
生徒と対立し、自分を正当化し、生徒のせいにして、周囲から責められ孤立する日々は、疲れた。
もうやめにしたかった。

平川や島田はこうした不毛さを知っているから、違う世界の住人になっているのだろう。
どうしたら、今回のように生徒とうまくできるだろうか。これまたわからなかった。