第311話 授業の改善 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第311話 授業の改善

新年度が始まってまだ1ヶ月半だった。5月半ば。
この段階にして、1・2年では授業が成立しないという状況が発生していたし、1年生は授業中に校内徘徊する者も現れてきた。
その一方で3年団は非常に落ち着きを見せ、授業も全く問題ないどころから、とてもやりやすい状況だった。

運営委員会はその話題が取り上げられ、授業での抜本的な取り組みが必要だという話になった。
当然ながら、この話題は最近のことではなく、去年もそうであった。
が、今年は徘徊も始まっていたので、それが2年生にも波及するのではないかと危惧しているのだった。



1年所属で生徒指導部長の有田が口を開いた。
「1年生が学校をどんどん乱していっていて本当に申し訳ないと思っています。本当に申し訳ない。
言い訳になってしまいますが、こうした方がいい、ああした方がいい、と担任には言うのんですが、2人して無視してます。」

これには1年の主任の赤井も同意で「秦先生に関しては、いちいちうるさいと言っているくらいですから。なんともやりようがなくて」
同情の声が上がる。

手をこまねいているばかりでもいけないので、各学年で学年会を持ち対応を協議することとなった。
手の空いている教員での巡回の話も出たが、まずは各学年で対策をということになった。

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2年の学年会。
主任は学級を崩壊させている張本人の川島。
今回は、対策を紙にまとめて提出となっているので「なんとかがんばりましょう」というのでは通用しなかった。

当然、川島からの提案があるわけではなく、土井と河野が主に発言した。

「時間を守らせましょう。チャイムが鳴った瞬間から授業が始まっているんですから」
「道具を持ってこさせましょう」




話題はずっと当たり前のことだった。大学でも習うようなことだった。
であるが、できていないのが現実。

そうした当たり前をやっていこうと。
ここまではよかった。

それが各個人の話になってくると話は違った。
川島の体育の教員だが、集合も遅ければ、体育で忘れ物が異常に多かった。
というのも、「今日は面倒だから休もう」が通じるし、「体操服を忘れた」といえば許された。
また、体育の見学となった生徒もなぜか参加したり、鬼ごっこをするなどしてずっと遊んでいた。

川島はそれを見て見ぬふりだった。自分はサッカーか、バスケの審判があるとした(毎時間、ずっと球技の試合しかしていない)。
当然ながら、腹に据えかねている土井はこれをいい機会とばかりに川島に言ったのだった。

川島は「教科の特性がある。なぜ、そこまで口を出されないといけないのか。こんな学校は初めてだ!」と文句を言った。
そして、決まり文句だった。「自分はやることはやっている!なのに、なぜ責められるのか、おかしいじゃないか!」と。

こんな感覚だから良くならない。土井は言いたかったが、グッとこらえた。