みなさん、こんにちは。tetraです。
以前書いたように、今は電子書籍にまとめていく作業を集中的にやっています。
この度、3冊目が完成しました。
前回 → 2冊目の電子書籍を出しました~うまくいく教師になりたいあなたのために/a>
↑今までは教員としての在り方・考え方でした。
今回は、その考え方を活かして、どうやって実際に生徒指導していくのかに焦点を当てました。
おそらく読者の方々はこの本が欲しかったのではないかなと思います。
どうやって生徒指導するのかが一番のポイントになってきますし、そのときに何をどうしたらいいのか、どうやったら一人前になって、一人で戦えるようになるのか。
そうしたためには、実践的な生徒指導の経験を積んでいくことが必要です。
本書は以下の15の生徒指導場面を挙げています(↓章構成)
はじめに
1 「遊びだ!」と生徒が言い訳する時の対処
2 学級で嫌な笑いが起きたら
3 言い訳をして罪を認めない生徒を落とすには
4 生徒指導が不発に終わると起こること
5 生徒指導がうまくいかないときにしてしまうこと
6 保護者から電話でいじめの訴えがあった時
7 いじめには「いじめだ」と加害者に言うこと
8 全体の場で指導する時 ~差別発言に負けない
9 なんで俺だけ? と言われる時の指導
10 指導したのにまた繰り返す時の指導方法
11 被害者の保護者に電話を入れるタイミング
12 加害生徒の保護者に連絡を入れるタイミング
13 保護者を怒らせない電話対応
14 生徒との関わりを大事にした指導
15 大きな問題に発展した時の生徒指導
終わりに
本書の流れとしては、各トピックで
NGな対応
↓
状況説明・どう考えるか
↓
対応例とまとめ
という形で展開していきます
ので、何がどうまずいのか、何を考えないといけないのかということも解説しているので、現実の自分と比較してみてください。
今までの考え方を元に生徒指導をしているので、どうやって行動に移せばいいのかもわかると思います。
挙げた例は15と少ないですが、同じような時には活かせると思います。
今回は、担任としてどうしても出てきてしまう学級で起こる嫌がらせ・いじめに焦点を当てています。
基本は初歩的・基礎的なものであるんですが、実はこの指導がうまくいかないと学級はうまく回っていきません
学級崩壊している方、うまくいっていない方はこうした部分がまずいのではないかなと思います。
そうした指導を本書を読んで実際に行ってみると効果があると考えています。
文章量は1ページ1,600字で45ページちょっと、つまり7万文字を超えており、2冊目の2倍となっています。
出版される本は10万字ということですから、けっこうな分量です。
価格の方は文字数を参考に500円としています。
すべて完全な書き下ろしになっています。
質問をいただくとあまり深い話はできないことが多いのですが、本書はかなり詳細に書いたつもりです。
ので、ページ数がとんでもなく多くなりました。
これが高いか、読むに値するかは各個人で判断してください。
おすすめするのは、1,2冊目を読んでから本書を読んでもらうと考え方と行動の関係が身についていくのではないかなと思います。
そうした意味で、生徒指導を勉強するための教材としては、なかなかないものになったのではないでしょうか。
自分自身、こうやって生徒指導のことを詳しく教えてもらったことはありません。
断片断片ですし、しかも現場で苦戦しながら、あがきながらです。
何年も苦しんで学んできたことをまとめています。
もしも、あなたが現場で苦しんでいるなら大きな助けになる可能性があります。
ブログでは書ききれなかったものを詰めています。
あなたが学生や非常勤であるなら、本書で学んで教師になる準備をしておくと、スタートがとても楽になると思います。
どんなものになっているか気になる人もいると思うので、1章をまるまる載せておきます。
1章は最初の指導ですので、ページ数は2枚分と少なく基本的なものとなっています
本書では、その後の悪化していった時の指導などが続いています。
1 「遊びだ!」と生徒が言い訳する時の対処
休憩時間。田村がたまたまクラスの前を通りかかると、坂田(女子)の周りを数人の男子が取り囲んでいるのが見えた。男子はなんだか意地悪く楽しそうな表情をしていた。田村はふと気になったが、次の授業の道具を職員室に取りに降りないといけないため、
(忙しいから、いいや。男子は楽しそう。問題ない。問題があればわかるだろうし、このくらいのことは自分でどうにかしないといけないしな。なんでも教師っておかしいし)
と自分に言い聞かて、忙しいふりをして通り過ぎた。坂田は小学校からの申し送りによると、低学力でいじめられやすいと書いてあった。
田村は一心に(今のは何でもない。何でもない。自分は忙しい。通らなかった)と心の中で唱えながら、歩いていった。
このとき、坂田の周辺では何が起きていたのでしょうか。
数人の男子たちは低学力の坂田が授業中の質問を答えられなくて変な受け答えをしていたのをからかいに来たのでした。学級で嫌がらせ、もっといえばいじめの初期段階がここから始まります。最初は些細な部分です。担任は不審に思いながらも、大きな問題ではないとたかをくくってしまうので、初期発見が遅れてしまうケースとなっています。
こうして、教員たちが「まっ、いっか」と面倒臭がって放置をするので、クラスの中で不法行為が横行していくようになります。
嫌がらせをする生徒が暗躍するほど、嫌な思いを抱える生徒が増えていき、学級の空気はどんどん重くなって、面白くなくなってしまいます。担任としてはそうした空気感が読めるかどうかも大事なポイントです。
もしも、田村がおかしいと思って声をかけたらどうだったでしょうか。
田村「おい」
男子A「は? なんですか?」
田村「何やってる?」
男子A「は? 遊びですよ。遊び。なんで、いちいち注意されないといけないんですか?」
田村「・・・(返答に困る)」
実際の場面で、生徒から「遊び」と言われてしまうと教師は言い返せなくなってしまいます。もちろんのこと、嫌がらせを受けている坂田が「嫌がらせをされています!」なんて言えない。黙っているだけ。
意地悪そうな顔をしている男子数人と嫌な表情をしている一人の女子であるので、明らかに嫌がらせが起きているのは間違いないですね。だけども、生徒の言葉に言い返せない、反撃できない。そのために、教員は注意をするのを躊躇してしまい、男子生徒は内心(しめしめ)とほくそ笑むわけです。当然これではいけません。
どうすればいいでしょうか。こうしてみましょう。
男子A「は? 遊びですよ。遊び。なんで、いちいち注意されないといけないんですか?」
田村「遊び? 遊びには見えなかった」
男子^A^「なんで、そうやって決めつけるんですか? いちいちなんで口出すんですか?」
田村「嫌な雰囲気だった。そういうことがあれば口出す。何をしているのかは知らないけど、嫌な雰囲気だったらだめ」
遊びかどうかそれを証明する必要はなくて、教員が嫌だったと個人的な感想を言えばいいんです。教員が嫌だからストップをかける。当然ながら、勘違いもあるけれど、教員にはそうしてストップをかける権限があるし、何よりも加害生徒はそういうことを嫌がります。自分たちがせっかく遊び道具を見つけて、弄んで楽しむつもりだっのに・・・と。
このストップをかけられるようになると学級は良い方向に歩き出します。そのためには、担任が勇気を持ってストップをかけること。加害者と被害者の表情をよく観察して、1対多数の構図ができているなら躊躇しないことです。気になれば話しかける。間違えていたら謝ればいいわけです。
それとともに、後で坂田をこっそり呼び出してどんなことをされたのかを聞いて見る必要があります。もしも、嫌がらせをされていたら男子たちを指導すること。これが原則です。
「今回初めて注意したから、今後あったらきちんと指導するよ」ということもありかもしれません。ただ、これは教員の逃げを助長することもありますから、私ならその生徒たちをその日のうちに呼び出して指導します。
自分の学級でこうした嫌がらせを起こすのは絶対に許さない、という意思表示であり、初期段階であっても見つけたらきちんと指導する姿勢を見せることでもあり、その生徒たちにも成長を促すためです。
教員の勘はだいたい当たるものです。それを面倒に思って無視すると、結果的に学級にマイナスに作用してしまい、後から大きなトラブルとなって返ってきます。いいことはないのです。
それはわかっていても止められない大きな原因は、生徒が言い返して来るのが怖いから。残念ですが、生徒にびびったらもう負けです。自分が嫌だったから、という理由で止めていいわけです。まずはストップをかけることを覚え、実践しましょう。全然違いますよ。
ご縁がある方をお待ちしています。今後も電子書籍を執筆していきますので、ご要望があればお願いします。
次は担任として1年間をやっていくときに起こる指導をまとめていきたいと考えています。
予定ではありますが。
ということで、この辺で。
あなたの教員人生が楽で楽しいものになりますように