一貫性の原理を教員としてどう活かすか | t-labo(中学校教師の支援サイト)

一貫性の原理を教員としてどう活かすか

一貫性の原理というものがあります。

人は自身の行動、発言、態度、信念などに対して一貫したものとしたいという心理が働く。
この心理を「一貫性の原理」と呼ぶ。
この心理の根底には、一貫性を保つことは社会生活において他者から高い評価を受けるという考え、複雑な要因の絡み合った社会生活での将来的な行動決定においてより簡易に行動を決定することができるなどの要因があるといわれる。 一貫性の原理 – Wikipedia


社会心理学の言葉では「コミットメントの一貫性」といわれたり、いろいろな表現があるようです。
人間は矛盾した行動が嫌いで、一度決めたらそれを一貫して行うわけです。
この原理原則は他の呼び名や心理学の用語にあると思います。

一度「買います」と言うと、その後、ちょっとした悪条件が出てきても「やっぱり買いません」と断りにくい心理です。
買うと言った(コミットメントした)のだから、「買わない」というのは矛盾した行動となり、気持ち悪いのです。
ですので、詐欺師は小さなことでもまずは「YES」と相手に言わせて、断りづらくしています。

このことは、学校現場でも見られることで、例えば、「生徒から反発を受けると、その生徒はずっと反発し続ける」という形です。
困ったものです。



この一貫性の原理があるので、生徒から「お前が嫌い!!死ね!」と言われると、その生徒は一貫性を保とうとするので、その教員の言動をすべてマイナスに捉え「嫌い」状態を維持しようとします。
もちろん、覆すこともできますが、それは一貫性が働いているので、必要以上の労力が必要です。
平たく言えば、「意地を張っている」わけですね。

この心理については教員も同じで、「あいつは問題ばかり起こす」「あいつは嫌なやつだ」と考えると、その生徒の行動をそうやってすべて当てはめてしまうのです。
生徒からは「偏見で見ている!」と言われるわけですし、「いい面を見ようとしない!」と非難されるのです。


うまくいかない教員というのは、生徒から反発・嫌がらせを受けて「こいつのことは嫌い!!」と恨みに思い、ここに一貫性を働かせています。
だから、生徒の言動をどんどんマイナス評価するし、恨みを晴らそうと私怨の生徒指導を行うわけです。
周囲からそんなに怒らなくてもいいじゃないかと言われると、一貫性の原理から反発して「いや、あいつが悪い」と自己正当化に走るというわけですね。。。

うまくいかない教員は負のスパイラルで一貫性を働かせているということです。




生徒に対応する時にどうしたらいいのかというと、力量がないなら生徒をキレさせないことです。
キレた生徒好き勝手言いますから、その時に「お前が嫌いなんじゃ!!」と言わせようものなら、その生徒はその発言の一貫性をどうしても貫き始めます。
発言するからそれに縛られるのです。

解決しない生徒指導に関しても同じです。
生徒が納得しないまま教員が都合で生徒指導を終わらせると、「こいつは駄目な教員だ!」と生徒が評価して、その一貫性が働きます。
生徒は家でもそのことをいいますから、保護者も「担任が嫌な人」と判断して、一貫性が働きます。

その後の生徒指導場面でも、その生徒は「こいつは駄目な教員だ」「自分の都合や気分で話している」と判断されるわけですね。
そして、マイナスの捉えをして「やっぱりこいつは駄目だ」として生徒指導が終わると。


生徒に「いい先生だ」「だめな先生だ」のどちらを言わせるかがとても大事であり、その評価に縛られることになります。
いい評価を得たなら、ちょっとしたミスであっても「あの先生はいい人だから、ミスもある」「先生は自分のことを思っていってくれる」と生徒は思いますし、保護者も「先生はあなたのことを思っていってくれているのよ」と好意的に解釈をしてくれます。






と考えていくと、結局は、年度当初にどうやって関わるかというのが、とても重要になってきます。
否定的な評価を下した生徒に対しては、それを覆すのはかなり労力がかかってしまいます。

問題生徒に関しては、とにかく声をかけて人間関係を作りましょう、といっているのは、負のコミットメントを生徒がしてしまうと取り返しがつかないからであり、教員がその生徒を嫌うとさらに事態は悪化するからです。
だから、待ってはいけない。自分から声をかけるのです。

魅力ある教員なら自然と生徒からいい評価をもらえるものではありますが。