働きアリの法則とリンゲルマン効果を教員としてどう活かすか | t-labo(中学校教師の支援サイト)

働きアリの法則とリンゲルマン効果を教員としてどう活かすか

全員が全力でやればすぐに片付くはずなのに。。。ということは多いですね。
問題行動に対する生徒指導など、人の力を結集するとあっという間。
だけど、それができないのはなぜか。

「働きアリの法則」という観点から考えると面白いですね。

・よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
・よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。
・サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。 働きアリの法則 – Wikipedia


というものです。



どんな社会でも、2割はよく働き、6割は普通に働き、2割はサボっているという・・・。
この解説はリンク先で確認してほしいのですが、要は「腰の軽さ・重さ」で説明がつくのだそうです。

腰の軽い人がよく働き、腰の重い人はなかなか動き出さない、つまりサボっていると。
腰の重さは人によって変わるので、腰の軽い人だけを集めても、その中で腰の重い2割がさぼる。
もしも、全員が同じ腰の重さで動いていくと短期的な効果はありますが、疲労があるので長期的には腰の重さに差があるほうが有効なそうです。

例えば、5人家族の家庭で、食事の後の食器が放置されているとします。
その状態が続くと誰が片付けて洗うでしょうか。
役割分担もあるとは思いますが、「もう、誰も何もしないんだから!」と動き出す人が腰の軽い人です。

腰の重い人は何もしません。気づけば誰かが片付けてくれるわけです。
しかし、この人もある一定以上の食器が溜まりと、いつかは動き出すでしょう。
それが腰の重さの違いで、はたからみると「何もしない人」になるのです。

中には残念なことに「フリーライダー」といって、何もしない人間もいるようです。




これを学校に当てはめてみると面白いですね。
教員も2:6:2の比率にたしかに分かれる感じしますし、大きな学校になると、「フリーライダー」が教育委員会から送り込まれますからね。
学級の生徒も同じで、いわゆる「だめな生徒」もリーダーのいない学級に入れると妙に活躍するケースがあったり、優秀だと思っても「あれ・・・何もしないじゃん」ということもあります。

集団にするとどうしても、2割は何もしない、サボるというのがこの法則の悲しい真実であり、学級の真実なのでしょう。
ここで注目をしたいのは、リンゲルマン効果(社会的手抜き)です。

社会的手抜き(しゃかいてきてぬき)は、集団で共同作業を行う時に一人当たりの課題遂行量が人数の増加に伴って低下する現象。リンゲルマン効果、フリーライダー(ただ乗り)現象、社会的怠惰とも呼ばれる。 社会的手抜き – Wikipedia


人が集まると手抜きをしてしまうという現象。
合唱練習、体育祭の練習、大掃除など、いろんな場面で散見されるものですね。
みんなが声を出したら、もっと大きな歌になるのになと不思議に思うものです。





要因として、以下のものが挙げられています。

・集団の中で、自分だけが評価される可能性が低い環境。
・優秀な集団の中にあって、自分の努力の量にかかわらず報酬が変わらないなど、努力が不要な環境。
・あまり努力をしない集団の中では、自分だけ努力するのは馬鹿らしいという心理から、集団の努力水準に同調する現象が起こる。
・他者の存在によって緊張感が低下したり、注意力が散漫になるなど自己意識の低下がパフォーマンスに影響を与えるメカニズムが働く。


これを読むとなるほどですよね。
集団で行うことは、自分だけ評価されることはなくなりますし、緊張感もなくなるので、サボってしまう。
教員なんて2つ目のものがよくあてはまりますよね。

で、3つ目の努力水準というのが面白いなと思います。
合唱の最初はみんなやる気がないもので、そのやる気のなさに「空気を読んで」合わせているんですよね。
それが、女子が頑張っている、あのクラスが頑張っているなどの様子を見て、「ちょっとやらないと」と思って少しずつ盛り上がっていく。

そんな様子を表していますね。
となると、リンゲルマン効果を考えると、ある一定の水準をキープできれば、社会的手抜きの程度も見逃せる程度になるわけですね。きっと。
むやみやたらに「全員」で動くと2割がサボるということになるので、より少人数に分けてやれば、そのグループ内で役割分担が可能になり、自分が評価される可能性が高くなるのでサボりにくくなる、腰の重さも相対的に軽くなり、作業効率が上がると考えられます。






だから、班は4人のほうがうまく回るとか、全員が実験に参加できるように理科の実験は3~4人で、という話になっていくのだと思います。
合唱の練習などにしても、全員でやるのではなくて、パートに分ける、評価が与えられるようにする、相互に評価するなどのことで個が埋没しない配慮をして、努力水準を高くすることで全体を引き上げることが可能になるはずです。

2割の何もしない生徒には、腰が軽くなるための声かけや、きっかけを与えることで事態は好転すると考えます。
この動きだすための刺激は、普通にやり方ではだめで、工夫が必要でしょう。

人間の残念な性質ですが、それを理解すれば苛立ちもおさまり、違う手段が見えてくるのではないでしょうか。