第290話 まずやっつけるべき相手は | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第290話 まずやっつけるべき相手は

荻原は毎日、放課後に生徒1人と話をした。
問題行動をする生徒を対象にしたものだった。

山本、荒川、向井、甲本、五木、藤田が問題行動の中心であり、そうした生徒らの動きに呼応して、その取り巻きらも勢いづいている。
中心生徒たちを抑えられれば、なんとかなるとの思いがある。



荻原と生徒との話については至って、普通だった。
落ち着いてゆったりと話ができた。

しかしながら、学級で集団になるとだめだった。
誰かが落ち着きをなくすと一気に波及していく。

そのため、話をする生徒の範囲を広げた。
そうやって放課後に呼ばれた生徒たちは一様に「自分は問題を起こしていない」と主張するのだった。

話をしてみると、取り巻きたちには、学級を荒らしている意識がない、その責任も持っていなかった。
悪いのは6人であり、自分は迷惑している。
何かをやったとしても、仕方がなく。

だから、こうやって放課後に呼ばれるのは心外であり、保護者には伝えてほしくないという気持ちがあるようだった。




(こういう卑怯な考え持っている中間層がいるから、不真面目はが助長するのか)
荻原は苦々しく思った。

(ここも元凶の一つだ。今まで、6人だけが問題だと思っていたけど、違った。)

荻原は島田に相談し、対応について指南してもらった。


そして荻原は生徒たちを一人ひとり話をする場で、
『君も同じように問題を起こしている一員だと俺は思っている』
と切り出した。

生徒の反応の仕方はまちまちだったが「は? ないでしょ!」と否定した。


『最初に目立つ生徒が始めているかもしれないけど、その後で騒いでいるでしょ? その責任はないか?』
「ああやって迷惑をかけている奴らが問題でしょ。何で、あいつらは指導しないで俺が指導されないといけんのんや!」
反発した。

『彼らには一人ひとり指導をしている。今は君と話をしている』
「そうやって決めつけるんだろ!?」

(こうやって、彼らは言い逃れてきた。負けたらいけない)

『問題は君の行動だろ? やっていることを認めろよ。まずはそこだろ。なのに、人のことばかりを言うのは卑怯だろ』
荻原は責めた。
卑怯な行動を認めさせなければ、物事は始まらない。

次回 → 第291話 影でこそこそは許さない