生徒とうまくやっていくときに考えたい、縦の関係と横の関係の違い | t-labo(中学校教師の支援サイト)

生徒とうまくやっていくときに考えたい、縦の関係と横の関係の違い

生徒とうまくやっていくことを考えると、生徒との人間関係をどうやって築いていくのかが重要になります。
考えるべきことは、あなたが「縦の関係」と「横の関係」のどちらを主に人間関係を構築していきたいかです。

私の考えるところでは、

・うまくいかない人ほど「縦の関係」を選ぶ
・うまくいく人ほど「横の関係」を選ぶ

ということです。



1.縦の関係

そもそも、それぞれの関係は何を意味しているのでしょうか。
縦の関係とは「上下関係」であり、一種の軍隊のようなものです。
あなたが上官・上司であり、生徒は部下です。

人によっては下僕だと考える人もいます。

上官の命令は絶対であるので、あなたの言うことを効かない生徒が「異常」ということになり、叱責の対象となります。
この関係を基本にしている方は、言うことを聞かない生徒に腹が立って仕方ありませんから、そういう生徒には怒って対応します。

統制が取れることを大事に考えるやり方であり、教員の言うことを聞く軍隊を作るので、効率的な学級経営、授業展開が可能になります。
問題生徒たちを屈服させるので、あなたのほうが立場が上だと生徒が理解するなら、生徒が言うことを聞きます。


2.横の関係

横の関係は、生徒との「対等な関係」を基本にする人間関係の在り方です。
教員も生徒も同じ人間だと考えて、どちらの意見も同じように価値があると考えます。

問題を起こす生徒の言うことも一考の価値があると。
あなたの言うことが絶対というより、相対的な価値を考えていきます。
身分で差別せずに、内容が判断基準となり、相手のことを大事にすることが人間関係の基本になります。

この対等な関係では、生徒は教員に信頼を寄せて、いろんなことを話してくれたり、問題があるときには相談してくれたりと温かい学級経営、授業になっていきます。
対話が生まれるので、問題生徒たちはしだいに成長していき、時間が経つにつれて問題を起こさなくなっていきます。



3.言うこととやることが矛盾

この説明を読んだあなたは「私がしたいのは、横の関係だ!」と一様に言うでしょう。
間違いありません。
なぜかわかりますか?


それは横の関係を選ぶと宣言すると、あなたが「善人に見えるから」です。


そう、、、体面です。大事にしているのは。

でも、実際にやっているのは「縦の関係」になるのでうまくいかないわけですね。
ここがうまくいかない教員の抱える矛盾であり、せこい大人の本音と建前なのです。

建前が「横の関係を築く」であり、本音は「横の関係で軍隊化したい」のです。
この矛盾に気づかない限りは「横の関係」を築くことはできません。



4.それぞれの問題点

縦と横の関係のどちらを選択するかはあなたが選べがいいだけのことです。
私は横の関係を信じて実践しています。
それぞれの関係も問題があります。

縦の関係ではあなたが上官にふさわしくないときに問題が起こります。
上下関係は、上官と部下の関係であり、部下からすると、「優れた上官」であり「強い上官」でないと納得がいかないのです。
もちろん、多くの生徒たちは「教員」という威光があるだけで言うことは聞いてくれますが、少数の問題生徒たちには通用しないし、この少数が学級の命運を握っているのです。

縦の関係では、生徒たちとの力比べに勝つことが前提であるし、効率的な学級経営が求められます。
それができなければ、トラブルが起きるし、反発を生みうまくいかない日々となり、あなたは自己防衛のために自己正当化をしないといけなくなります。




横の関係では、生徒のことを大事にすることが前提であるので、生徒の言い分を聞かないといけないし、生徒が嘘や都合のいいことを言った場合には、それをはねのけることが求められます。
「生徒の発言を大事にするのに、生徒の言うことを聞かないのはおかしい」と矛盾することに悩み、生徒の嘘などを鵜呑みにして、生徒に都合のいい逃げを認めるケースが多々あります。

横の関係では、生徒のご機嫌取りや迎合という問題が起きて、人によっては生徒指導が機能しなくなります
生徒との対話によって生徒を導いていくため、教員は常にゴール(落とし所)の設定やそこまでのスモールステップをつくることか要求されます。



5.大事なことは何か

生徒との人間関係を考える上で一番大事なことは、生徒から見たときにあなたが「尊敬に足る人間かどうか」です。
ここだけ。
だから、私が縦であろうが、横であろうがどちらの人間関係を選択したとしてもうまくやる自信はあります。

人間として未熟な人が、どっちかが正解だとして極端なことをやろうとすると(例えば、生徒にうけるために卑猥な話をするなど)、もっと痛いことになります。
大事なのは、あなたの人間としての魅力であるという点です。

そもそも考えてみてください。
人間として魅力がない人間に子育てなんて無理ですから。
ここでしょう。


そして、縦と横の関係の話ですが、私が横の関係を重視するのは、生徒を成長させられて、結果的には楽で楽しく、温かい学級になっていくからです。
生徒や保護者からとても感謝されて、教員人生が幸せなものになります。

うまくいかない人は、縦の関係を重視します。
それは生徒が自分の言うことを聞いてくれない反動からです。
しかも、その方が効率的であると考えているからです。



人間関係をどうつくっていき、その結果がどうなるか、これらの因果関係がわからない限りは、自分がどういう人間関係を作るべきは見えてこないでしょう。
自分の働きかけでどう変わるのか、これを日々検証していき、あなたが人間として成長していくことも必要です。

縦横の人間関係の前に、「あなたの魅力」を考え見てください