第291話 影でこそこそは許さない | t-labo(中学校教師の支援サイト)

第291話 影でこそこそは許さない

荻原は、表立って問題を起こす生徒の影に隠れて、騒いでいる生徒たちの存在がわかった。
こうしてこそこそと騒ぐ生徒がいなくならなくては、教室の平穏はやってこない。

荻原はそういう生徒を一人ひとりは呼び出しては生徒指導を行っていった。



表立って問題を起こす生徒と比べて、影でこそこそするのは度胸もなく指導が荒れてどうにもならないことはなかった。
そもそも彼らは、表に出て暴れるほどの勇気など持ちあわせてはおらず、「自分はまじめにやってます」という風を装いたかった。

自分は問題児たちとは違うのだと。


『保護者に連絡する』と言ってしまえば、びびってしまうような連中だった。


影でコソコソ、周りを利用して自分たちのしたいようにするのが彼らの流儀だった。




荻原は彼らに、問題児たちと同じことをしている、表立ってやろうが影でこそこそやろうが同じだ、と指導した。
生徒たちは「なんでおれだけ」としきりにわめいたが、それで言い逃れが通じるほど荻原は甘くはなかった。


島田が荻原にアドバイスした一つがこれだ。

「そういう生徒たちは、自分は悪い子としてないという認識ですよ。
悪いのは問題を起こす生徒だと責任転嫁をしているだけ。

ですから、彼らも問題児たちと同じ責任だと突きつけたらいいんです。
表にも出てこれないような卑怯な生徒だから、おとなしくなるでしょう」


そう、彼らにどのくらいの罪であるかをわからせる、突きつけるのが大事なわけだ。
荻原は指導を通じて少しずつであるが、生徒指導についてわかってきたような気がした。

うまくいくとかを気にするのではなく、まずいことがあれば、行動する、それが生徒指導なのかもしれないと。