生徒の言うとおりにするほうが実は危険? 生徒の意見を取り入れた学級経営をする方がいいと言われるが | t-labo(中学校教師の支援サイト)

生徒の言うとおりにするほうが実は危険? 生徒の意見を取り入れた学級経営をする方がいいと言われるが

あなたはどれだけ学級経営や授業に生徒の意見を取り入れていますか?
生徒の意見を取り入れれば取り入れるほどいい、という考え方にあなたは賛成ですか?

その状況に応じて違うとは思いますが、生徒の意見を取り入れればよい、生徒の意見を常に募集すればいい、というものではないと私は思っています



ざっくりとした話で申し訳ないですが。
爆発的に売れた商品のアップデートバージョンが売れなくなり、新興企業が出した商品に売上を持って行かれる、といった現象がよく起こるそうです

爆発的に売れた商品の後継機がなぜ売れないかというと、機能を増やしすぎたから、というのが1つの答えだそうです
消費者がその機能を欲しているのはたしかですが、売れたためにその機能に磨きをかけ過ぎて、消費者がついていけないものを作り上げる、オーバースペック過ぎるなど過剰なのだとか。

iPhoneが爆発的な人気があるのは、詰め込みではなくてシンプルだから、だそうです
その他の要因もあるとは思いますが。
おもしろいのは、iPhoneなどは消費者が求めていたわけではなくて、アップル社が新しいものを作って、消費者に「新しい需要」を作り上げたことです



消費者の意見をもとに作る失敗する理由がここにあるようです
消費者はいい加減であり、その意見は的確ではないこともあります
大事なのは、需要を作り出すこと

なるほどなと思いました
このことを学級経営や授業に取り入れるなら、生徒の意見は確かに真実である側面がありますが、それは一部の意見であり、さらにいえば中学生という未熟な子どもの考える視野の狭いものです

この例も極端かもしれませんが「席替えは自由にしたい」というのが、全生徒の意見でしょう
生徒の意見を取り入れることは大事として、席替えを自由にしたらどういうことが起こるでしょうか
間違いなくうまくいかないでしょう



もちろん、局所的にはうまくいく班などが出てきますが、それは全員ではなくて、不遇だと感じる生徒、不公平だと感じる生徒の割合はグッと多くなるはず
生徒の自由、というときに「声の大きな図々しい生徒」の意見が通りやすいので、生徒の自由であっても、その中の階級によって発言権が違うという不平等な決め方であるのが実際です

生徒はそこまでのことを想定していないでしょうし、決める過程で妥協できない部分が発生したときにうまく解決をせず放置するなど、学級経営に尾を引くこともするでしょう
何かをするには責任が伴うわけで、権利を主張してもこの責任を取る覚悟がないといけませんし、「責任を取れる!」と発言した生徒であっても、自分のわがままを押し通して「これでいいじゃん」とゴリ押しをするでしょう

個人の意見はよほどのことがない限り、基本的には「その個人の最大の利益」を追求したものです
その意見を言う人間も学級の中では一部の生徒でしかなくて、そうやって安易に発言できる生徒は、どちらかというと遠慮がない問題生徒側でしょう



今回の記事で話題にしたいのは、生徒の意見を聞くなということではありません
「生徒が求める需要」を追いかけたり、それに左右されたりするのではなくて、「教員が需要を作る」ことです
学級を良くしていこうとするときに、教員が新しい枠組み、取り組みを提示して、生徒がそれに応えていく方法で、新しい需要を作り出していき、生徒に満足感を与えるのです

席替えに関しても、常に生徒は「自由がいい」と主張しますが、そうではない需要を作り出せば、生徒は案外満足するものです
何かに不満があれば解消するのも大事ですが、その意見に左右されすぎると、教員のやりたいことや目指すものがブレブレになってしまいます

教員が自分のやりたいことをゴリ押すのではなくて、新しい需要を作ってよりよくしていく
うまくいかないときには必要なことだと思います
ゴリ押しを古い商品の押しつけ、と捉えてみると、それを修正して新しい需要を満たす商品を作り出すこと、だと考えてみましょう

その修正の時に、「生徒が要求しているから」という需要予測をするから、変な修正をかけてしまうのではないでしょうか