生徒に注意したら、「差別だ!」と言われた時の対応 | t-labo(中学校教師の支援サイト)

生徒に注意したら、「差別だ!」と言われた時の対応

まずはここから | t-labo の授業中に騒いでいる生徒(清水くん)への指導について見てみましょう。
清水くんは自分が騒いでいるにも関わらず、先生から注意されると、「差別じゃ!」と開き直ります。

さて、どう指導しますか?



こんな話です。


学活のときに全体的に騒がしく落ち着かなくて、その中でも一際騒いでいる、清水くんに注意しました。そうすると、
清水「は? しゃべってないし。」
沢井「いや、しゃべっとったろうが、じゃけ、注意しとるんじゃ」
清水「あっちの方がうるさいし。なんで、俺だけ注意されんといけんのん。それって差別じゃん」

と、あたかも沢井先生が悪いようにいってきます。さすがの沢井先生もこれにはキレて
沢井「うっさいんじゃ! お前がうるさいから注意しとんじゃ。よそは関係ないじゃろうが!」
と怒鳴りました。清水くんは

清水「お前がうっさいんじゃ。しゃべってない言うとんじゃ。何決めつけとんや。そうやって差別するから、嫌われとるんじゃ」
そして、他の生徒からは「うわー差別じゃ」という声が聞こえてきます。

『嫌われとるんじゃ』という言葉は沢井先生の胸に深々と刺さりました。自分は優れた教師でみんなから人気があると思っていたのに、実は嫌われていたとは。生徒から裏切られた気持ちで大きなショックです。
「とにかく、うるさいんじゃ。騒ぐなや。授業中は黙っとけや!」
と大きな声で怒鳴りました。さすがに生徒は黙りました。



さて、どうしよう・・・?


うるさいから指導したら、それに対して言い返してくる。
そんなことありえない状況ですが、現場ではよくあります。

何にしろ、うまくいかない事態は生徒を指導し、成長させるチャンス。


生徒の思いと先生の思いの違い


一番の食い違いは、生徒と先生では考えることが違うことです。

先生目線:
・全体的にうるさい
・中でも清水くんがうるさい(授業中なのに羽目を外し、迷惑をかけている)

と見えていても、

清水くん目線:
・周りがうるさい
・周りがうるさいから自分もしゃべってもいい

というくらいのことしか思っていないと思います。
つまり、

先生は清水くんが特別にうるさい。
けれど、清水くんからすれば、みんなと同じ程度にしかしゃべっていない


ので、先生が清水くんだけ注意すれば、当然、

なんで俺だけなん? と思ってしまいますね

と考えれば、清水くんからすれば「差別」なのです。
周囲の冷静な目から見れば、おそらく清水くんはやりすぎとは見えるのでしょうが、清水くんはそうは見えません。
中学生であるが故ですね。

この食い違いを解消するのが指導であり、それに気づくように成長させるのです。



差別と言われたら・・・


さて、振り返ってみます。先生が注意します。

清水「は? しゃべってないし。」
先生「いや、しゃべっとったろうが、じゃけ、注意しとるんじゃ」
清水「あっちの方がうるさいし。なんで、俺だけ注意されんといけんのん。それって差別じゃん」

差別と言われると困りますよね。

でも、実際に差別しているわけじゃないでしょ?
うろたえる必要はありません!


先生「清水は、今しゃべってなかった?」
清水「だから、しゃべってないし」

とぼけてますね。

先生「しゃべっているを見たし、そもそも後ろを向いていた。それは違うでしょ?」
清水「俺だけ注意されるとかおかしいし。あっちもうるさかったし」

生徒は責任転嫁しますから、その生徒の話だけに焦点化しましょう

先生「今は清水の話をしてるんよ。あっちは関係ない。自分の行動は悪くなかったのか?」
清水「は、なんでも俺だけなん!」
先生「あっちがうるさいという話は後でする。ぼくが見たら、清水はすごく騒いでいた。だから、注意したんよ。自覚はあるかい?」

話を個人に向けて、反省を促すのが大事です。
生徒は自分がやったことについては自覚がありますから、嘘まではつかないはずです。



「差別」「ひいき」は生徒が使う便利な責任転嫁の言葉


生徒からすれば「差別」や「ひいき」は自分の責任を転嫁し、自分を正当化するためにはとても便利な言葉です。
先生自身がそんなことをしていなければ、それを紐解く必要があります

何がひいきなのか、差別なのか。
はっきりとさせるべきです。

清水くんの例では、「自分だけが注意されたこと」が差別と考えたわけです。

先生としては、
・清水くんが特別にうるさかったこと
・清水くんが自分の言動に気づき反省すること
・周りにもきちんと指導を入れること

をすれば、差別でもなんでもありません。
うるさいから指導するのは当然のことですから。

ただ、それを個人をターゲットにするか、全体をターゲットにするかは考えないといけません。



全体へも指導する


清水くんを指導した後は、全体への指導です。
生徒というのは、このやりとりをとても関心を持って観察しているのです。

どちらの力関係が上か。
反抗すると面倒なことになるか


と。
清水くんを抑えれば、あとは問題ないわけです。

「ところでさ、今一人を注意したけど、他の人はどうだった?
授業中であることを忘れて私語をしたんじゃないか?

周りが騒いでいたかもしれないけど、周りが騒いでいたら自分も騒いでいいのか?
それは言い訳をして、やってはいけないことをやっているんだよ」

とか、なんとか。

周りがやっているからいいのではなくて、個人としていいのか悪いのかを判断させるようにしたいです

あとは、くじけそうになりますが、それでも負けないように!!